飯舘村
Exif情報
メーカー名 SIGMA
機種名 dp0 Quattro
ソフトウェア SIGMA Photo Pro 6.5.4
レンズ 14mm F4
焦点距離 14mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/125sec.
絞り値 F9.0
露出補正値 +0.0
測光モード 分割測光
ISO感度 100
ホワイトバランス オート
フラッシュ なし
サイズ 2704x1808 (6,682KB)
撮影日時 2019-05-01 21:10:38 +0900

1   kusanagi   2019/6/23 14:07

.

2   kusanagi   2019/6/23 23:36

「飯舘村の現況」
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/26-13.html
避難指示解除準備区域(平成29年3月31日解除)
居住制限区域(平成29年3月31日解除)
帰還困難区域(村内一部)

こんな感じで避難地区の指定解除を受けたのは2年前(2017)なんですね。つまり震災から6年間も
大部分は放置されたままだったということです。
こういう具合に耕作できず放置されたままの農地をみるのは辛かったです。ある意味で究極の過疎
地帯とも言えなくはないのですが、やはり限界集落とは規模が違うのです。

写真の農地はまだらに雑草は生えていますが、6年間、いや8年間何もしなかったというわけではなく
て何らかのメンテナンスはしていたのでしょう。いくら東北でも8年間放置でこの程度の雑草の生え具合
は考えられませんから。(ある地域でぜんぜん無耕作のところは葦が一面に生えていましたからね) 
それから大部分の耕作地は除染作業の対象になっていて、私が見た農地は除染後の姿だということ
かもしれません。

「飯舘村除染サイト」
http://josen.env.go.jp/area/details/iitate.html
これを見ると2012年8月~2016年12月間で約5,600haを除染したとあります。農地が約2,400haなので
殆どの農地は表土を剥ぎとった後の姿だと思われます。その耕地面の剥ぎとり具合も問題で、あまり
に剥ぎ取りすぎると、もうまともには田圃にはできなくなります。中には剥ぎとった後、客土の作業を
している農地もありました。こうなるともう耕作地の有機層はなくなってしまいますから、農地としては
ゼロからのスタートになります。そこを水田化しても、化学肥料や農薬の力で稲作はできないことは
ないのですが、品質は悪くなってしまい市場には出せないでしょう。

飯舘村の道の駅で村でとれたお米を販売していましたが、買う気にはなれませんでした。
これが山形や秋田という火山岩地帯の水を引き込んで造る水田だと、たとえ有機層がなくなった水田
でも水に溶け込んだミネラルや有機物の力である程度のお米はできるんです。しかし福島の阿武隈
山地という花崗岩地帯の水ではそれは望めません。
それでこれらの除染後の農地は表土の有機層を回復する作業が待っているのですが、それには10年
20年とかかるはずです。もっとかかるかも知れない。農業というのはそんなに甘くはないんですね。

福島は花崗岩地帯が多くて、それで御影石の産地です。(お墓が立派) そういうのはこちら香川と同じ
なんですが、花崗岩地帯といのは確かに水漏れがなく水田の造成には向いているのですが、耕地に
地力というものが乏しくミネラル分が不足しています。また山から流れてくる水も花崗岩の山では水の
ミネラル分が不足するのです。(同じ福島でも会津は違いますよ。火山地帯ですから)

「ワイン生産さかんなゴラン高原」
https://www.asahi.com/articles/ASM3Q6JMVM3QUHBI039.html
「ゴラン高原」
http://www.zamasuya.net/israelgolantop.htm
「イスラエルの最前線…ゴラン高原…」
https://ameblo.jp/joyly-02/entry-12313519827.html
「イスラエル旅行記その6 - 土地への愛」
http://www.logos-ministries.org/kiyotae/taeko/israel6.html
これらはイスラエルのゴラン高原の話なんですが、火成岩地帯で地力が豊かで良いワインが穫れると
いうわけです。日本は火山地帯が多いので農業に適しているとも言えるんですね。

こんな具合なのであって、福島の膨大な耕作地や山野が汚染されたことは大変であったわけですが、
もしこれが、汚染された地域が、穀倉地帯であり美味しいお米が穫れる新潟とか山形や秋田であった
とすれば、日本にとっては大変な事態になっていたわけです。
つまり土地というのは農業の観点からすれば皆一律の平等ではないんです。そう考えると日本海側の
東北といのは日本の宝である地域なんですね。


大前研一氏の「低欲望社会」というのが以前話題になりましたが、今の高齢者や若い人々であっても
欲しいものがない、何かをしたいという欲望が枯渇しているというのは、この震災の影響というものも
与っていると言われます。
それでなのか、私も東北行以降、カメラへの物欲(と言っても廉価中古なのですが)がパッタリとなく
なったという感じです。まあ、無駄遣いをしなくなったのはちょうどいい感じなのですが、ついでに撮影
への意欲というものなくなったな、というところもありますね。(^^ゞ
しかし撮影は運動には欠かせないと考えているので、天気が良ければカメラを担いで近くの山には
登っております。

しばらくは、この低欲望写真で行こうかなって思ってます。(^^ゞ 東北の大地が私に語りかけてくれた
ことはあまりにも多くてその消化には時間が掛かりそうです。当分は時間をかけて東北シリーズを
続けていくつもりです。

戻る