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Exif情報
メーカー名 NIKON CORPORATION
機種名 D800
ソフトウェア Capture One 6 Windows
レンズ
焦点距離 24mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/640sec.
絞り値 F13
露出補正値 -0.3
測光モード 分割測光
ISO感度 800
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 2048x1367 (1.88MB)
撮影日時 2015-12-29 23:57:58 +0900

1   kusanagi   2024/1/2 20:54


年末仕事終わりの午後から登った鷲の山。300メートルちょいの小さな里山ですが、讃岐平野では異形
の姿をしていることで有名です。写真は南面からの撮影ですが、東側には採石場があり古墳時代からの古代から採石かが行われていた由緒ある山です。柔らかい柱状の安山岩が採れ加工しやすく、この石
で彫った狛犬は最高です。

この南面ルートは直行登山でして、後から調べるとあまり登った人はいないようですが、それでも登山路
には踏み後がありましたので利用はされているようです。いつもは手に持つカメラを肩に掛け両手も使っ
て小枝や笹根を掴みながら登る羽目になりました。帰りは尻をつけズリ落ちながらの下山。(笑)
翌日は時間をかけて西側から入山し、この山は実は東西ではなく南北に長い山です、アップダウンの多
い南北縦走をこころみました。起伏と変化に富んだ素晴らしい山でしたね。植生がまばらで見晴らしが
良いのもいいです。

写真は麓の溜池からの鷲の山ですが、左右の手前に伸びた小山は山体崩壊の跡です。この池はその
崩壊地の間の空間に作られた池ですね。崩れ去った鷲の山の崩壊痕の尾根筋が見えますね。抉れて
いる部分が崩壊した部分です。香川にはそういう崩壊痕跡が多くて、これは歩いてみれば直ぐに分かる
ほどです。崩壊して堆積したところは平らなんです。そして山になると一気に急傾斜になるんです。

日本アルプスなどの高山では崩壊すればそのまま谷に落ちて、それはすぐに土砂となり川から海へ流れ
落ちますが、川もない雨も降らない香川では、山体崩壊の跡がそのまま残るという現象をみることが
できるのです。
この鷲の山は、もともとは台形の台地状の山だったんですが、山体崩壊を繰り返しながら現在のような
尖ったギザギサの山容になったんですね。鷲が羽を広げた様ということで名づけられた山です。
この山の、加工しやすい輝石角閃石安山岩は風化すると白い土になるようです。写真では溜池の水際
が白いのでも分かります。
この輝石角閃石安山岩は柔らかく風化しやすい岩石のようで、しかも縦に柱状節理が走っていてさらに
風化の度合いが高いようです。台地状の山はメサと呼ばれていて、屋島とか大麻山がそうですが、上部
に載っている安山岩は硬くて崩れ難いのです。しかし鷲の山はそうではなかったので風化と崩壊を起こし
現在のようなギザギザの山になってしまったようです。

植生としてはウバメカシ、クヌギ、山桜など。赤松も昔は多かったはずですが、現在は枯れて絶滅状態。
今の香川の里山はすべからくそうです。イノシシとは2匹遭遇しました。夕暮れは彼らの縄張りですから。
細々とした石材採取くらいで何の役にもたたない山ですが、昔はこういう里山から落ち葉採取(肥料や
燃料として)や、木々(松ノ木や樫)を伐採して利用されていたわけですけど、今はただそこにあるだけ
の山になってしまいました。麓にはかつて耕やした畑の痕跡が多々見受けられました。

頂上には中世の山城跡があったそうですが、こういうのは本当の山城ではなくて、俺が一応は制覇して
いるんだぜ、というくらいのプレゼンのようなものです。山頂は平らですがそんなに広くありません。

こういうことを色いろと考察しながら山に登り、写真を撮っていくというのが私のスタイルになっています。
香川にはこういう里山と溜池がごまんとあり、一生かかって撮影しても、そのほんの一部しか見ることが
できません。しかし皆すべて個性的であり同じものはひとつとしてありません。

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