ニコン F501 作例

一眼レフ

1986年4月1日発売

F-501(海外名N2020)は、1986年4月に発売されたニコンのAF一眼レフで、自動巻き上げを内蔵したF-301のAF版にあたる。コンパクトカメラに押されて一眼レフの販売が伸び悩むなか、ニコンは先行したF3AFのレンズ内モーター方式を退け、ボディ内のモーターからAFカップリングでレンズを駆動する方式と、ボディとレンズのCPU通信を、レンズマウントを変えずに採り入れた。ニコンは後年、この機種を現在の各シリーズの基礎を築いた存在と位置付けている。

シリーズ
Nikon F
位置付け
ニコン初の本格的なボディ内モーター式AF一眼レフ(F-301の姉妹機)
ライバル
ALPHA-7000

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投稿写真 43枚

Camera Profile

F501について

発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。

登場した時代

F-501が発売された1986年当時、35mm一眼レフの販売は伸びていなかった。ストロボ、AF、自動巻き上げ・巻き戻しを備えたレンズシャッター式のコンパクトカメラが、手軽に美しい写真を撮れるようになっていた。各社は一眼レフの人気を取り戻す策を探しており、その柱が自動巻き上げ・巻き戻しの内蔵とAFだった。F-501と前年に出た姉妹機F-301は、この流れから生まれた。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

一方で、一眼レフにAFが必要かどうかは、当時の関係者の間で真剣に議論されていた。ファインダーでピントを肉眼で確かめられる一眼レフでは、AFの出来が一目で分かってしまう。MFに慣れた人は不自由もしていない。そのため「不完全なAFなら、ない方がよい」という見方もあった。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle) 欧州では、1986年2月3日にアムステルダムで報道関係者向けに発表された。2レビュー collection-appareils.frNikon F-501 - Collection d'appareils photo anciens (Sylvain Halgand)

ラインナップ上の位置付け

F-501は、F-301(海外名N2000)のAF版にあたる姉妹機である。ニコンはまず、MFで自動巻き上げを内蔵する機種と、AFで自動巻き上げを内蔵する機種の二本立てで開発を進めた。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

ニコンのAF一眼レフには、1983年のF3AFが先にあった。公式はF3AFを、実用に耐えるAF一眼レフではあったものの、AFの価値や事業として成り立つかがまだ見通せない時期の製品だったと振り返る。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

海外の資料には、F-501を「ニコン初の広く売れたAF一眼レフ」「ニコン初の成功したAF一眼レフ」とするものがあるが、販売台数の裏付けは確認できていない。3レビュー Camera-wiki.orgNikon F-501 (N2020) - Camera-wiki.org 後に続くコンシューマー向けの機種には、F-401、F-601、F-801/F-801sがある。4レビュー WikipediaNikon F-501 - Wikipedia

先代からの進化

AFの駆動方式は、F3AFから大きく変わった。F3AFはF3をベースに、ボディにAFレンズとの信号接点を設け、駆動モーターはレンズ内に置いていた。5公式 ニコンHistory of Nikon (Corporate History) モーターを内蔵したレンズは、AI AF Nikkor 80mm f/2.8と200mm f/3.5 IF-EDだった。F-501の開発では、この方式では交換レンズが大きくなりコストも上がるとして採用を見送り、モーターをボディに置いて、AFカップリングを介してレンズへ駆動力を伝える方式にした。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

焦点検出には、コントラスト検出より明らかに優れるとしてTTL位相差検出を選んだ。ボディとレンズはそれぞれのCPUが電気接点で通信し、露出に使う設定絞りと開放F値に加えて、レンズ固有の補正値も伝える。これが露出精度の向上に役立つとされる。AFのほかに、自動巻き上げ、自動フィルム装填、DXコードによるフィルム感度の自動設定、CPUによるカメラ機能の制御も盛り込まれた。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

AFモジュールはニコンの第一世代のもので、96個のCCDを備えるとされる。AFレンズだけでなく、MFレンズも合焦表示によるフォーカスエイド付きで使える。6レビュー davidde.comReview - the Nikon N2020 / F-501

連写は最高2.5コマ/秒だが、フォーカスや露出のロックの状態によっては1.4コマ/秒まで落ちることがある。4レビュー WikipediaNikon F-501 - Wikipedia シャッターは1〜1/2000秒の電子制御式縦走りで、フラッシュ同調は1/125秒、測光はTTL中央重点(60/40)、ファインダーは倍率0.85倍・視野率92%である。3レビュー Camera-wiki.orgNikon F-501 (N2020) - Camera-wiki.org

外装は金属でなくポリカーボネートになり、色も従来の銀から黒に変わった。シャッターボタン側のグリップが張り出した形状は以後のAF一眼レフに受け継がれ、デザインの一部は1988年のプロ向けAF機F4にも採り入れられた。4レビュー WikipediaNikon F-501 - Wikipedia

ライバル機種との比較

一眼レフのAF時代の始まりとされるのは、1985年に登場したミノルタα-7000である。α-7000はコンパクトカメラに押されていた一眼レフの販売を回復させ、F-501はその翌年に続いた。公式はF-501を、ミノルタのα-X000シリーズほど目立つ存在ではなかったと振り返っている。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

開発の背景

ニコン(当時は日本光学工業)は、1971年4月のシカゴPhotoexpoでAFレンズ(AF Nikkor 80mm f/4.5)の試作を発表しており、一眼レフのAFを以前から研究していた。F-501の開発ではレンズマウントを変える案も議論されたが、マウントを変えなくても将来の新しい仕様に対応できる見通しが得られたとして退けられた。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

ボディ内モーターを選んだことについて、公式の記事は、広角や標準ズームではサイズとコストの面でボディ内モーターが有利で、超望遠ではレンズ内モーターが効率的だと整理する。そのうえで、現行のニコンのAFが両方式に対応できることをもって、当時の選択の正しさが証明されたと述べる。公式はF-501を現在のニコンの各シリーズの基礎を築いた存在とし、その貢献は軽く扱えないとしている。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

開発チームは多くの新機能を短期間で作り上げる必要があったが、チームワークで目標の期間内に発売にこぎ着けた。小学館の雑誌「DIME」は創刊号(1986年5月1日)でこの開発チームを5ページにわたって特集した。カメラの開発チームが一般誌に取り上げられるのは、当時は非常に珍しいことだった。1公式 ニコンNikon Family Cousins, Part 15 - "Nikon F-501" and "Nikon F-301" (Camera Chronicle)

内容の確認日: 2026年10月12日

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