先に検討されていたのは、35mmフルサイズCCDを使う600万画素のデジタル一眼レフだった。2000年のフォトキナで試作機を参考出品したものの、自社の目標コストに合わず製品化を見送った。この経緯を経て*ist Dは製品となったが、レンズ資産を活用するという考えは引き継がれた。商品企画の川野潔は、大型CCDを採用する最大の理由を既存レンズの活用と説明し、単にマウントが合うだけでなく、実用的な画角で使えることを重視したという。4プレス ITmediaPCUPdate:老舗カメラメーカーに課せられた「レンズ資産の活用」――“世界最小・最軽量”一眼レフデジカメ「*ist D」
互換性の説明も具体的だった。発表時には、絞りのAポジションを備えた110種類、累計650万本のレンズに対応すると説明している。一方、新しいデジタル専用DAレンズは撮像素子に合わせたイメージサークルとし、小型軽量化とコスト低減を狙った。広角域をDAレンズ、望遠域を既存の35mm判用レンズで担う方針である。これまでのレンズを一律に置き換えるのでも、そのまま使うだけでもなく、画角ごとに既存資産と新設計の役割を分けていた。2プレス PC Watchペンタックス、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「*ist D」
小型化を支えたのは外形の工夫だけではない。厚さ1〜1.2mmの冷間圧延ステンレス鋼帯をボディーフレームに使い、10層基板で電子回路を効率よく実装した。ステンレスはアルミやプラスチックより温度変化による膨張・収縮が小さく、CCDやペンタプリズムの位置精度の維持にも役立つと説明されている。小さく収めることと、撮像素子や光学系を正しい位置に保つことを、フレームと回路の両側から考えた設計だった。4プレス ITmediaPCUPdate:老舗カメラメーカーに課せられた「レンズ資産の活用」――“世界最小・最軽量”一眼レフデジカメ「*ist D」
ファインダーも専用設計の一部である。新開発のガラスペンタプリズムにより視野率95%、倍率0.95倍を確保し、スクリーンの交換にも対応した。レンズ資産を使うためのデジタルボディーを小型化しながら、覗いて構図を決める一眼レフの機能も盛り込んでいる。7公式 リコーイメージング*ist D 特長