ペンタックス K-m 作例

一眼レフ

APS-C・1,020万画素

2008年10月24日発売

K-mの仕様

K-mは、2008年10月にペンタックスが発売したエントリー向けのデジタル一眼レフである。APS-C一眼レフで「世界最小」を掲げ、女性・若年層と一眼レフの初心者に向けて、小ささと操作の易しさを優先して作られた。その代わりに防塵防滴やAF測距点の数、合焦点の表示を削っており、利用者は小ささと操作性を高く評価する一方、合焦点が見えない不便を繰り返し挙げた。

シリーズ
K
位置付け
APS-C一眼レフで世界最小を掲げた、女性・若年層向けのエントリー機
先代
K200D
後継
K-x
ライバル
D60 E-420 EOS 1000D

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投稿写真 214枚

Camera Profile

K-mについて

発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。

登場した時代

2008年9月22日に発表され、当初「10月下旬」とされた発売日は10月24日に決まった。店頭予想価格はボディのみが6万円台半ば、レンズキットが7万円前後、ダブルズームキットが8万円前後である。1プレス デジカメ Watchペンタックス、デジタル一眼レフ「K-m」を24日に発売 同年12月24日には、限定3,000台のホワイトボディ「K-m whiteレンズキット」も発表されている。2プレス デジカメ Watchペンタックス、「K-m」ホワイトモデルを国内でも発売

当時の市場について、開発統括部長の北沢利之氏は、普及機が一眼レフ市場全体の約7割を占め、高級機は台数ベースで約5%にとどまると述べている。日本では20〜30代のユーザーが3〜4年かけて全体の20〜30%を占めるまでになり、この1〜2年は女性の比率も高まっていたという。発表直後のフォトキナ2008では、ペンタックスのブースに置かれた実機の前に常に人だかりができた。3インタビュー デジカメ Watch「K20D」と「K200D」の後継機を2009年夏前に投入(ペンタックス北沢利之氏インタビュー)

ラインナップ上の位置付け

国内では、上位のK20D、中級のK200Dの下に置かれたエントリーモデルである。北沢氏は、防塵防滴を備えたK200Dを「普及機の中の上位」とし、K-mでは「普及機の中の中級機」を狙ったと説明した。同氏によれば、世界で最も売れる価格帯(レンズキット5万9,800円、ボディ4万9,800円)は旧機種の処分的な継続販売が多く、メーカーのビジネスとしては難しい。そこで、ボリュームを取るなら普及機の中位と位置づけたという。3インタビュー デジカメ Watch「K20D」と「K200D」の後継機を2009年夏前に投入(ペンタックス北沢利之氏インタビュー)

K-mの加入で、K20DとK200Dの2モデル体制は3モデルになった。北沢氏は2009年夏前にK20DとK200Dの後継機を出すと述べていたが、K200DはK-mの登場後すぐに生産を終えている。このため、K-mをK200Dの後継とみなすかは資料によって扱いが分かれる。4レビュー マイナビニュースペンタックス K-m 実写インプレッション

後継機種は2009年10月発売のK-xである。撮像素子をCCDからCMOSに変え、K-mになかったライブビューを搭載した。5プレス デジカメ Watchペンタックス、動画機能搭載のエントリー機「K-x」

先代からの進化

K-mの上に置かれていたK200Dと比べると、何を残し、何を足し、何を削ったかが分かる。本体重量は約630gから約525gへ軽くなった。有効約1,020万画素と画像処理エンジンPRIMEはK200Dと同じで、最高感度はISO1600からISO3200へ上がった。連写は最高約3.5コマ/秒で、ボディ内の手ブレ補正は最大約4段分を保っている。6公式 リコーイメージングK-m 性能諸元

大きく変わったのは操作系である。上面の表示パネルを初めて省略し、ステータススクリーンとコントロールパネルを背面の液晶に表示する。基本操作のボタンとレバーはグリップのある右側に集め、モードダイヤルも右手側に置き、シャッターボタンの手前にヘルプボタンを新設した。液晶は2.7型約23万ドットのまま、170度の広視野角タイプになった。機能面では、暗部の階調を持ち上げる「シャドー補正」が加わった。7プレス デジカメ Watchペンタックス、APS-Cセンサーで最小ボディの「K-m」

一方で削られたものもある。AF測距点は全点クロスセンサーの5点で、K200DのSAFOX VIII(11点)より少ない。8公式 リコーイメージングK200D 性能諸元 ファインダー内で合焦したAF点を示すスーパーインポーズ表示も省かれた。K200Dが売りにしていた防塵防滴構造は持たず、ライブビューも搭載していない。4レビュー マイナビニュースペンタックス K-m 実写インプレッション

ライバル機種との比較

ASCII.jpは、500g以下の軽量エントリー機の競合として、オリンパスE-420(約380g)、キヤノンEOS Kiss F(約450g)、ニコンD40(約475g)、パナソニックDMC-G1(約385g)を挙げた。約525gのK-mはこれらより重い。ただしK-mは、CCDシフト式の手ブレ補正をボディ内に持つ。9プレス ASCII.jpペンタックスが「K-m」で軽量デジイチ市場に参戦!

横幅では立場が逆になる。メーカーは、122.5mmの横幅がマイクロフォーサーズを含む全デジタル一眼で最短だと説明し、デジカメWatchのレビューもG1よりわずかに小さいことを確かめている。「世界最小」という表現は、2008年9月1日現在、APS-Cサイズ相当の撮像素子で有効1000万画素以上のデジタル一眼レフという条件つきである。10公式 ペンタックス(リコーイメージング掲載)使いやすいエントリークラスのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-m」新発売(ニュースリリース) この小ささを生かす使い方として、発売当時の専門媒体は、DAリミテッドレンズや薄型のパンケーキレンズと組み合わせた小型のスナップ・散歩用システムを挙げている。11レビュー デジカメ Watchペンタックス「K-m」(新製品レビュー、中村文夫)

開発の背景

メーカーが掲げた狙いは、一眼レフを初めて手にするファミリーユーザーや初級者が、簡単な操作で撮影を楽しめるエントリー機だった。10公式 ペンタックス(リコーイメージング掲載)使いやすいエントリークラスのデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-m」新発売(ニュースリリース) 北沢氏はさらに主なターゲットを「女性」と「若年層」の二つに絞り、当時約10%だった女性の比率を20%、30%へ高めたいと述べている。同氏が示した優先順位は、まず小型軽量に徹底的にこだわり、次に操作の易しさ、そのうえで高画質と基本的な撮影性能を高めるというものだった。3インタビュー デジカメ Watch「K20D」と「K200D」の後継機を2009年夏前に投入(ペンタックス北沢利之氏インタビュー)

小型化を狙った理由として、北沢氏はK100DやK10Dの開発時に「いい出来だけど、ペンタックスにしては少し大きい」と言われたことを挙げた。最も大変だったのは、電子回路を1枚の基板にまとめつつ幅と高さを削る点で、ミラーボックスやペンタ部よりも電気設計の工夫が中心だったという。3インタビュー デジカメ Watch「K20D」と「K200D」の後継機を2009年夏前に投入(ペンタックス北沢利之氏インタビュー)

メーカーは、新設計のステンレス製シャシー、手ブレ補正機構の小型化、回路基板の縮小と高密度実装によって、大きな撮像素子とボディ内手ブレ補正を載せたまま小型軽量化したと説明している。キットのレンズも、DA 18-55mm F3.5-5.6 AL IIとDA 50-200mm F4-5.6 EDをベースに、クイックシフトフォーカスを省き、マウントを樹脂製にして軽くした「DA L」の2本(約200g、約235g)とし、単品では発売していない。電源には、ペンタックスのエントリー機の伝統である単3電池4本を引き続き採用した。7プレス デジカメ Watchペンタックス、APS-Cセンサーで最小ボディの「K-m」

小さくすれば、操作部材も小さくなる。北沢氏は、この弊害をボタンを右手の親指で押せる位置へ再配置し、グリップの握りやすさを追求することで補ったと述べている。GUIも一新して設定項目を1画面にまとめ、シャッターの半押しが苦手な人のためにAFボタンを押しやすい位置に置いた。3インタビュー デジカメ Watch「K20D」と「K200D」の後継機を2009年夏前に投入(ペンタックス北沢利之氏インタビュー)

製品名の「m」には「ミニ」「マイクロ」「ママ」の意味を込めたとされ、アサヒペンタックスのMF一眼レフ「KM」とは直接の関係がない。デジカメWatchのレビューによれば、カタログにも子どもや動物を撮る若い母親が登場する。11レビュー デジカメ Watchペンタックス「K-m」(新製品レビュー、中村文夫)

利用者の評判

価格.comの満足度は、レンズキットが4.91(43件)、ダブルズームキットが4.88(96件)、ボディが4.64(36件)で、いずれもカテゴリ平均の4.58を上回る。12掲示板 価格.comPENTAX K-m ダブルズームキット レビュー・評価 項目別ではバッテリーがどのページでも上位二つに入り、レンズキットは全項目でカテゴリ平均を上回った。一方、液晶は3ページとも最も低い項目で、ダブルズームキットとボディではカテゴリ平均を下回る。13掲示板 価格.comPENTAX K-m レンズキット レビュー・評価

専門媒体と価格.comのレビューが共通して挙げる長所は、開発で優先された小ささと操作の易しさに重なる。小型軽量でありながら握りやすいこと、単3電池の持ちがよいこと、右手に集めた操作系やヘルプボタンが初心者に分かりやすいことである。デジカメWatchのレビューはアルカリ単3電池で1,000カット以上撮っても電池消耗の警告が出なかったとし、価格.comではエネループでの持ちのよさを挙げる投稿が目立つ。11レビュー デジカメ Watchペンタックス「K-m」(新製品レビュー、中村文夫)

不満として共通するのは、K200Dから省かれたスーパーインポーズ表示である。5点のうちどこでピントが合ったか分かりにくいと専門媒体が指摘し、価格.comのレビューでも繰り返し挙がる。ライブビューがないことも専門媒体は残念な点に挙げたが、価格.comでは「気にならない」「ファインダーに集中できる」とする声と、不満とする声に分かれる。高感度は実用上ISO800〜1600程度までという見方も、マイナビニュースと価格.comのレビューに共通する。4レビュー マイナビニュースペンタックス K-m 実写インプレッション

評判の出典

6件

内容の確認日: 2026年10月5日

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