ニコン D810 作例
2014年7月17日発売
ニコンD810は、2014年7月17日に発売された、有効3635万画素のFXフォーマット一眼レフである。D800とD800Eを一機種へまとめ、画素数をほぼ維持しながら、ISO64の低感度、内部機構の制振、AFとライブビューを作り直した。高画素の撮像素子が持つ描写力を、実際の撮影で引き出すための更新に重きを置いた機種だった。
- シリーズ
- D800シリーズ
- 位置付け
- 高解像度FXフォーマット上級一眼レフ
- 先代
- D800E
- 後継
- D850
- ライバル
- EOS 5D Mark III α7R
投稿写真 446枚
Camera Profile
D810について
発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。
ラインナップ上の位置付け
D810はD800Eだけでなく、D800も継ぐ一機種として登場した。同時代のD4Sについて、メーカーは報道・スポーツでの連写と超高感度を重視する機種と説明した。一方のD810は、3635万画素の高精細な描写と、幅広い常用感度での階調を重視する位置付けだった。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
ニコンFマウントを備え、35.9×24.0mmのセンサーを用いる。カードはSD系とCFの二スロットで、順次記録、同時記録、RAWとJPEGの分割記録を選べる。本体のみ880g、電池とSDカードを含むと980gで、記録方法も含めた上級一眼レフの構成である。4公式 ニコンイメージングジャパンD810 主な仕様
先代からの進化
新開発の3635万画素CMOSは光学ローパスフィルターを省いた。D800Eのようにフィルターの効果をキャンセルする構造とは異なる。ただし開発者は、省略と効果キャンセルの違いそのものは、解像にほとんど影響しないと説明している。世代全体の改良を、フィルターを外したことだけへ帰す設計ではなかった。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
常用感度はISO64~12800、拡張時はISO32相当~51200相当となった。画像処理にはD4Sと同じEXPEED 4を採用し、先代のEXPEED 3では実現できなかった明瞭度調整、高感度ノイズ低減、60p動画の処理を可能にしたと開発者は述べた。2公式 ニコン3635万画素・光学ローパスフィルターレスのD810を発売3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
FXでの最高連写速度は先代の約4コマ/秒から約5コマ/秒へ上がった。EN-EL15使用時のDXと1.2倍クロップでは最高約6コマ/秒となる。DXで最高約7コマ/秒を使うには、MB-D12とEN-EL15以外の指定電源、またはAC電源が必要で、FXは追加電源を使っても最高約5コマ/秒である。公称値はAF-C、露出SまたはM、1/250秒以上などの条件に基づく。4公式 ニコンイメージングジャパンD810 主な仕様2公式 ニコン3635万画素・光学ローパスフィルターレスのD810を発売
AFは51点を継承し、5点を一つの測距群として最適な点を選ぶグループエリアAFを加えた。静止被写体の精度についても、光源が変わった場合のずれを抑えるため、ハードウェアとアルゴリズムを改良したという。測距点数を増やす以外の方法で、ピントを合わせる動作を見直していた。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
静止画ライブビューの2点拡大は、同じ水平面上の左右二か所を拡大し、建築物の水平や左右対称、PC-Eレンズ使用時の確認に使える。3.2型122.9万ドットのRGBW液晶には色調の調整を加え、光学ファインダーも透過率と色味を改善した。FX機として初めて、ファインダー内表示を有機EL化している。5公式 ニコンD810 Technical Guide:ハイライト重点測光・2点拡大・電子先幕2公式 ニコン3635万画素・光学ローパスフィルターレスのD810を発売
ピクチャーコントロールには、局所的なコントラストを調整する明瞭度と、後処理向けに色や階調の演出を抑えるフラットを加えた。フラットはセンサー自体のダイナミックレンジや白飛びの限界を広げる機能ではない。動画は1920×1080の60pに対応し、内蔵マイクもステレオとなった。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー2公式 ニコン3635万画素・光学ローパスフィルターレスのD810を発売
ライバル機種との比較
Photography Blogは、同時期の主要な競合にキヤノンEOS 5D Mark IIIとソニーα7Rを挙げ、特にα7Rの小型軽量なボディと高解像度をD810の競争条件として論じた。高画素機を選ぶ際にも、光学ファインダーを備える一眼レフと、小型のミラーレスという選択肢があった。6レビュー Photography BlogNikon D810 Review
開発の背景
開発者は、先代の利用者から寄せられたメカショック、動作音、連写の遅さへの不満を受け、内部機構と絵作りを根本から見直したと説明した。D800とD800Eを一機種へ統合したのは、D800Eの利用者から予想したほど偽色やモアレへの不満が出ず、高精細な描写が支持されたためだった。ただし、モアレを完全に除く専用機能は備えていない。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
ISO64の実現には、画素当たりに蓄積できる光量を約2/3段増やした。メーカーは、ISO100と同等の広いダイナミックレンジを保った低感度と説明している。一方、ISO32相当への拡張ではハイライトの階調を損なう制約があり、同じように低い数字でもISO64とは成り立ちが異なる。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー2公式 ニコン3635万画素・光学ローパスフィルターレスのD810を発売
制振では、ミラーアップをバネ駆動からモーター駆動へ変え、終端に達する直前に減速して衝撃を抑えた。ミラーダウン時には、復帰が終わる前にゴムダンパーで受け止め、減速しながらエネルギーを逃がしてバウンドを抑える。静音と制振を優先した結果、公称レリーズタイムラグはD800/D800Eの42msから52msへ延びた。動作をすべて速めるのでなく、高画素を生かすために衝撃を小さくする選択だった。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
電子先幕シャッターも、露光開始時の機械動作を減らすための機能である。先幕を動かさずセンサー制御で露光を始め、終了時は機械式の後幕を閉じる。使用するにはミラーアップのMupと電子先幕の有効設定を組み合わせる必要がある。最初のミラーアップによる振動は残るため、メーカーは三脚、リモート操作と1~2秒の間隔を勧めた。5公式 ニコンD810 Technical Guide:ハイライト重点測光・2点拡大・電子先幕
PC-Eレンズでアオリ撮影を行う場合、電子先幕と高速シャッターの組み合わせでは露出ムラが生じることがある。機械動作を減らす機能にも、レンズと撮影方法に応じた条件があった。5公式 ニコンD810 Technical Guide:ハイライト重点測光・2点拡大・電子先幕
ライブビューでは、拡大像を精細にするためセンサー出力、信号処理、表示を最適化した。撮影後は画像処理の終了を待たずにミラーアップへ戻り、ライブビューの復帰前にも次のシャッターを切れるよう制御を変えた。細部を見てピントを確認することと、その後の撮影を待たせないことを合わせて改良したのである。3インタビュー デジカメ Watch/デジタルカメラマガジンニコンD810で見えてきた高画素モデルの進化の方向性:開発者インタビュー
利用者の評判
Photography Blogと、2016年のDPReviewの評価要約では、高解像度と階調を生かす画質、一眼レフとしての使い勝手の熟成が共通する評価点となった。撮像素子の解像力と、撮影を支える機能を組み合わせた更新として評価されている。6レビュー Photography BlogNikon D810 Review
2026年10月1日時点の価格.comボディ版では、集計対象226件の満足度が5点満点中4.78だった。画質4.86、操作性4.60、ホールド感4.68に対し、携帯性は3.81である。後年の投稿も含む集計で、画質への高い評価と持ち歩く際の評価には差が見られる。7レビュー 価格.comD810 ボディ レビュー評価・評判
内容の確認日: 2026年10月1日
D810で撮った写真の話題
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