ニコン D4 作例

一眼レフ

35mmフルサイズ・1,620万画素

2012年3月15日発売

D4の仕様

D4は、2012年3月15日に発売されたニコンのFXフォーマットのフラッグシップ一眼レフで、報道・スポーツ向けのD3Sの後継機である。D3シリーズの操作体系を受け継ぎ、画素数を1,620万画素に増やしながらAF/AE追従の連写をFXフォーマットで約10コマ/秒に速め、測光センサーの一新とAFの改良で動体の捕捉を磨いたうえで、XQDカードや有線LANなど報道のワークフローに向けた機能を加えた。直接のライバルはキヤノンが1D系と1Ds系を統合したEOS-1D Xで、価格は同じ65万円前後、発売はD4が約3か月早かった。

シリーズ
ニコン D一桁機(FXフォーマット)
位置付け
ニコンのプロ向けFXフラッグシップ一眼レフ(D3Sの後継)
先代
D3S
後継
D4S
ライバル
EOS-1D X D800

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投稿写真 31枚

Camera Profile

D4について

発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。

登場した時代

ニコンは2012年1月6日にD4を発表し、2月16日の発売を予定していた。ところが2月7日、注文が当初の想定を大幅に上回り発売の準備が整わないとして、発売日を3月15日へ延期した。1プレス デジカメ Watchニコン、「D4」「AF-S NIKKOR 85mm F1.8 G」の発売日を変更

記録メディアには新規格のXQDメモリーカードを採り、XQDとCFのダブルスロットとした。世界初の採用となるXQDのスロットは、2012年1月のCESに展示された実機では空だった。2プレス デジカメ Watch【CES/PMA】「D4」と「Nikon 1」をアピールしたニコン

ラインナップ上の位置付け

D4は、報道やスポーツ撮影向けのD3S(2009年11月発売)の後継である。店頭予想価格65万円前後は、D3Sの発売時の60万円前後より5万円高く、D3Xの90万円前後よりは低い。3プレス デジカメ Watchニコン、AFやAEを一新したフラッグシップ機「D4」

外観の基本デザインはD3Sを踏襲し、ダイヤルやボタンの配置も大きくは変わらない。ボディはマグネシウム合金で、O-リングやパッキンによる防塵防滴のシーリングを施し、約40万回のレリーズテストをクリアしたとニコンは説明している。4公式 ニコンデジタル一眼レフカメラ「ニコン D4」を発売(ニュースリリース 2012年1月6日)

先代からの進化

撮像素子は新開発の有効1,620万画素FXフォーマットCMOSで、D3Sの1,210万画素から410万画素増えた。画素数は、高画素化の要望、高感度画質、連写性能などのバランスを考えて決めたといい、ニコンはデータの読み出し速度の向上も維持したと説明する。ベース感度はD3SのISO200からISO100に下がり、常用ISO100〜12800、拡張ISO50相当〜204800相当とした(D3Sの拡張は102400相当まで)。画像処理エンジンは新しいEXPEED 3で、デジカメWatchはD3Sの22倍の処理能力と伝えた。3プレス デジカメ Watchニコン、AFやAEを一新したフラッグシップ機「D4」

被写体を捉える仕組みにも手が入った。測光センサーは1005分割RGBセンサーから新開発の91KピクセルRGBセンサーになり、光学ファインダー撮影でも人物の顔を認識して、AF、AE、i-TTL調光、オートホワイトバランスの精度に生かすとニコンは説明した。AFモジュールはニコンが新開発とするアドバンストマルチCAM3500FXで、51点(うち中央15点がクロス)という点数はD3Sと同じだが、新しいアルゴリズムで初動を速めた。11点がF8に対応し、超望遠レンズに2倍テレコンバーターを付けてもAFが働く。4公式 ニコンデジタル一眼レフカメラ「ニコン D4」を発売(ニュースリリース 2012年1月6日)

連写はFXフォーマットでAF/AE追従の約10コマ/秒、追従なしで約11コマ/秒である。D3SはFXで約9コマ/秒で、約11コマ/秒はDXフォーマットに限られていた。ニコンは、XQDカード使用時にRAWで10コマ/秒の連写が最大約100コマ続くとした(同社の測定条件)。4公式 ニコンデジタル一眼レフカメラ「ニコン D4」を発売(ニュースリリース 2012年1月6日)

動画はD3Sの720p/24p(Motion JPEG)から、フルHDの30p/25p/24pと720pの60p/50p(H.264)になり、専用の録画ボタンやステレオ外部マイク端子も加わった。報道の現場に向けては、有線LAN端子(RJ-45)、カメラ内でIPTC情報を付ける機能、802.11nに対応した無線トランスミッターWT-5を用意し、ワークフローの効率化を訴求した。ライブビューでミラーとシャッターの音を出さない「無音撮影」も加わった。縦位置でも横位置と同等に操作できるようボタンを増やし、一部のボタンには暗所で光るイルミネーションを入れた。4公式 ニコンデジタル一眼レフカメラ「ニコン D4」を発売(ニュースリリース 2012年1月6日)

本体のみの質量は約1,180gで、D3Sの約1,240gより軽い。液晶モニターは3.2型約92万ドットになった。バッテリーは新型のEN-EL18になり、D3S用のEN-EL4a/EN-EL4は使えない。3プレス デジカメ Watchニコン、AFやAEを一新したフラッグシップ機「D4」 CIPA基準の撮影可能枚数は2,600枚で、EN-EL4aの4,200枚より少ない。5レビュー Photography BlogNikon D4 Review

第三者によるセンサーの測定では、DXOMARKの総合スコアがD4の89に対し、D3Sは82である。6レビュー DXOMARKNikon D4 - DXOMARK 色深度(24.7bit対23.5bit)とダイナミックレンジ(13.1EV対12.0EV)はD4が上回り、低照度ISOの指標(2965対3253)ではD3Sに及ばない。7レビュー DXOMARKNikon D3s - DXOMARK いずれも現在のDXOMARKデータベース上のセンサー測定値で、実写での優劣をそのまま示すものではない。

ライバル機種との比較

直接のライバルはキヤノンEOS-1D Xである。1D Xは、APS-Hの1D系とフルサイズの1Ds系を統合した新しいラインで、有効1,810万画素、常用ISO100〜51200、約12コマ/秒、61点AF(クロス最大41点)を備え、店頭予想価格はD4と同じ65万円前後だった。画素数、常用感度の上限、連写速度、AF点数の数字はいずれも1D Xが上回る。一方、記録メディアは1D XがCFのデュアルスロットでXQDを採らず、D4はXQDとCFのダブルスロットとした。動画はどちらもH.264のフルHDで、1D Xはフレーム間圧縮のないALL-I記録を加えた。有線LANは両機とも備える。8プレス デジカメ Watchキヤノン、12コマ/秒・ISO204800のプロ向けフルサイズ機「EOS-1D X」

発売時期には差がついた。1D Xは発表時に2012年3月下旬の発売を予定していたが、2月27日に4月下旬へ、4月13日に6月中旬へと2度延期され、6月20日に発売された。D4の3月15日発売は、それより約3か月早い。9プレス デジカメ Watchキヤノン、「EOS-1D X」を6月20日に発売決定

センサーの測定値では、DXOMARKでD4(総合89)が1D X(総合82、色深度23.8bit、ダイナミックレンジ11.8EV、低照度ISO 2786)を全項目で上回る。10レビュー DXOMARKCanon EOS 1Dx - DXOMARK

2012年のロンドン五輪の報道カメラのシェアについては、ニコンが新機種のD4が評価されシェアに貢献したと認識していると述べ、キヤノンは自社が優勢と把握していると答えた。数字は公表されておらず、両社の主張は食い違ったままである。11プレス デジカメ Watchロンドン五輪でのシェア報道にキヤノンとニコンがコメント

ニコン社内では、同時期の有効3,630万画素のD800が、店頭予想価格30万円前後とD4の半額以下で並んだ。12プレス デジカメ Watchニコン、「D800」「D800E」「COOLPIX P310」など10機種を発表 価格.comのレビューにはD800/D800Eからの乗り換えや併用の記述が多く、連写、バッファ、高感度がD4を選んだ理由として挙がる。13レビュー 価格.comニコン D4 ボディ のユーザーレビュー・評価

開発の背景

ニコンはD4を、2007年のD3、2008年12月の有効2,450万画素機D3X、2009年に常用ISO12800と動画を備えたD3Sに続く「次世代フラッグシップ」と位置付けた。D3シリーズの基本性能を踏襲しつつ、プロとハイアマチュアの撮影現場から寄せられた要望を反映し、機能と性能を極限まで高めることを狙ったという。耐久性と信頼性の裏付けには、NASAに納めたD3Sが特別な改良なしで国際宇宙ステーションの撮影機材として使われていることを挙げた。4公式 ニコンデジタル一眼レフカメラ「ニコン D4」を発売(ニュースリリース 2012年1月6日)

デジカメWatchのレビューは、D4が2012年のロンドン五輪での使用を念頭に開発されたと聞くと書き、動体に対するAFの追随性と高感度特性の改善を評価の主眼に置いた。14レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】ニコンD4 〜連写&高感度性能に磨きをかけたプロ向け一眼レフカメラ

利用者の評判

価格.comのレビューの満足度は4.77で、カテゴリ平均の4.58を上回る(集計111件)。項目別では、デザイン、画質、操作性、バッテリー、機能性、液晶、ホールド感がいずれも平均を上回り、携帯性だけが3.89とカテゴリ平均の4.25を下回る。13レビュー 価格.comニコン D4 ボディ のユーザーレビュー・評価

発売時の専門媒体と価格.comのレビューに共通する長所は、高感度でのノイズの少なさと、動体への食いつきが強いAFである。堅牢さや剛性も双方が挙げる。価格.comでは、縦位置を含むグリップと操作性に加え、公称の撮影枚数が先代用より減ったバッテリーの持ちも長所として繰り返し挙がる。14レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】ニコンD4 〜連写&高感度性能に磨きをかけたプロ向け一眼レフカメラ

繰り返し挙がる短所は、大きさと重さ、本体と記録メディアの価格である。携帯性の低さは価格.comの項目別評価にも表れ、専門媒体も重量級の大振りな機体を指摘した。価格の高さは専門媒体と価格.comの双方が挙げ、新規格のXQDカードの価格もその一部として挙がる。5レビュー Photography BlogNikon D4 Review

評判の出典

6件

内容の確認日: 2026年10月12日

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