キヤノン PowerShot S90 作例

コンパクト

2009年10月9日発売

PowerShot S90の仕様

キヤノンPowerShot S90は、2009年10月16日に発売された、RAW記録と手動撮影に対応する薄型コンパクトカメラである。G11と同じ有効1000万画素CCDを小さなボディに収め、広角端F2のレンズと、その根元を回して設定するコントローラーリングを備えた。Gシリーズを小さくしてほしい利用者と、IXY DIGITALから撮影の自由度を広げたい利用者の両方に向け、携帯性と操作を組み直した機種だった。

シリーズ
PowerShot S
位置付け
RAWと手動操作を備える薄型高級コンパクト
先代
PowerShot S80
後継
PowerShot S95
ライバル
DMC-LX3

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投稿写真 455枚

Camera Profile

PowerShot S90について

発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。

登場した時代

国内発表は2009年8月20日で、当初は10月中旬の発売を予定していた。10月8日に発売日が10月16日と告知され、店頭予想価格は約5万円だった。1公式 キヤノンPowerShot S90 基本情報2プレス デジカメWatchキヤノン、「PowerShot S90」を10月16日に発売

2005年10月のS80から、小さなボディと多機能を組み合わせるSシリーズのコンセプトを受け継いだ登場である。3公式 キヤノンカメラミュージアムPowerShot S90

ラインナップ上の位置付け

開発者の中村氏は、S90には二つの狙いがあると説明した。一つはGシリーズの既存利用者から寄せられた小型化の要望への対応、もう一つはIXY DIGITALなどの薄型入門機からのステップアップである。より小さな上級機を求める人と、薄型機の携帯性を保ちながら手動撮影へ進む人を、同じ製品の対象に置いていた。4インタビュー ITmediaPowerShot G11開発者に聞く:S90との位置付け

撮像系はG11と同じ1/1.7型・有効1000万画素CCDとDIGIC4を組み合わせた。レンズは35mm判換算28~105mmの光学3.8倍ズームで、開放F値は広角端F2、望遠端F4.9である。本体は突起を除き100×58.4×30.9mm、本体のみ約175gで、背面に3型約46.1万ドットの液晶を備えた。5プレス デジカメWatchキヤノン、RAW記録に対応した薄型モデル「PowerShot S90」6公式 キヤノン主な仕様(PowerShot S90)

撮影モードはプログラムAE、シャッター速度優先、絞り優先、マニュアルを選べ、自動撮影やシーンモードも残した。記録はJPEGだけでなくCR2形式のRAW、RAWとJPEGの同時記録に対応する。カメラ任せで撮る段階から、自分で露出を決め、撮影後に現像する段階までを同じボディで扱う構成である。6公式 キヤノン主な仕様(PowerShot S90)

先代からの進化

S80の外観をそのまま引き継がず、S90はより小さなボディへ刷新され、光学ファインダーを省いた。その一方で、レンズ根元にコントローラーリングを加え、ISO感度や絞り、ホワイトバランスなどを回転操作で変更できるようにした。7レビュー DPReviewCanon PowerShot S90 Review3公式 キヤノンカメラミュージアムPowerShot S90

リングの標準設定は撮影モードと連動する。PではISO感度、Tvではシャッター速度、AvとMでは絞りを操作し、上面の専用ボタンから別の項目へ変更することもできる。ステップズームを割り当てれば、28、35、50、85、105mm相当の画角を選べる。デジカメWatchの実機検証では、この設定で選んだ画角は電源を入れ直しても復帰し、通常のズーム操作では広角端へ戻った。リングは露出の変更だけでなく、使いたい画角を決めて撮る操作にも使えた。8レビュー デジカメWatch新製品レビュー:キヤノンPowerShot S90

通常のフル画素撮影ではISO80~3200を選べ、ローライトモードは約250万画素に抑えて最高ISO12800に対応した。動画は最大640×480・30fps、モノラル音声である。静止画の露出とRAW記録を充実させた一方、動画記録はHDに達していなかった。6公式 キヤノン主な仕様(PowerShot S90)

ライバル機種との比較

同じキヤノンのG11との違いは、画素数よりも持ち歩き方と機材の組み方にあった。開発者は、G11には光学ファインダー、ホットシュー、独立したダイヤルなどがあり、拡張性を重視する機種と説明している。S90は同じセンサーを使いながら小型化を優先し、広角端のレンズもG11のF2.8に対してF2とした。4インタビュー ITmediaPowerShot G11開発者に聞く:S90との位置付け8レビュー デジカメWatch新製品レビュー:キヤノンPowerShot S90

DPReviewは、手動操作を備える高級コンパクトとしてパナソニックLX3を主要な比較対象に置いた。S90が属したのは、薄さだけで選ぶコンパクト機よりも、撮影者が設定を変えることに重きを置く製品群である。後継のS95は2010年8月19日に発表され、F2レンズとリング操作を継承しながら、1280×720・24fpsのHD動画とステレオ音声を加えた。7レビュー DPReviewCanon PowerShot S90 Review9公式 キヤノンPowerShot S95など新製品2機種を発売

開発の背景

キヤノンは、高感度CCDとノイズ処理を強化したDIGIC4の組み合わせを「デュアルクリアシステム」と呼び、低照度での画質を訴求した。S90の撮像系は、画素数の大きさだけでなく、暗い場所でも撮影するための組み合わせとして説明されたものである。3公式 キヤノンカメラミュージアムPowerShot S90

広角端F2の明るさを薄いボディへ収めるため、レンズには両面非球面UAレンズと高屈折率高分散材を採用した。発表時の報道では、沈胴時のレンズ配置と、IXY DIGITALで用いた方式のズーム機構も小型化の要素として挙げられている。明るいレンズを付けるだけでなく、電源を切って携行するときの厚みまで含めて設計した点が、S90の狙いと結び付いていた。5プレス デジカメWatchキヤノン、RAW記録に対応した薄型モデル「PowerShot S90」

リングは、背面ホイールと組み合わせることで二方向の設定にも使えた。ホワイトバランスの二軸調整や、ノスタルジック撮影での彩度・粒状感の変更を、画面で結果を見ながら行える。小さなボディでも、メニューから数値を選ぶ以外の操作を用意したのである。5プレス デジカメWatchキヤノン、RAW記録に対応した薄型モデル「PowerShot S90」

撮影後には、同梱のDigital Photo ProfessionalでRAW現像とピクチャースタイルの適用ができた。EOSと同じ現像ソフトを使える仕組みまで備え、カメラ内で仕上げる撮影と、パソコンで仕上げる撮影をつないでいた。10公式 キヤノン/DPReviewCanon reintroduces S-series with PowerShot S90/英国発表資料

利用者の評判

デジカメWatchとDPReviewでは、小さなボディで手動撮影を扱いやすくした前面リングと、明るい広角レンズが共通して評価された。携帯性を保ったまま露出などを直接操作できる点は、メーカーが狙った小型上級機としての性格に沿う評価である。8レビュー デジカメWatch新製品レビュー:キヤノンPowerShot S90

一方、両レビューは背面ホイールが軽く回り、意図せず設定が変わりやすいことや、小さなボディのホールドの難しさも指摘した。前面リングへの好評と背面ホイールへの指摘は、同じ回転操作でも別の部位に対する評価である。8レビュー デジカメWatch新製品レビュー:キヤノンPowerShot S90

2026年10月1日時点の価格.comでは、後年の長期利用の投稿も含む186件の満足度が5点満点中4.65となっている。11掲示板 価格.comPowerShot S90 価格比較・レビュー集計

評判の出典

3件

内容の確認日: 2026年10月1日

PowerShot S90で撮った写真の話題

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