キヤノン PowerShot G12 作例
コンパクト
1,000万画素
2010年10月7日発売
PowerShot G12は、2010年10月に発売された、キヤノンのコンパクトデジタルカメラ最上位であるGシリーズの10代目である。撮像素子、映像エンジン、レンズ、液晶は先代G11のままとし、グリップ上部の電子ダイヤル、ハイブリッドIS、HD動画などを加えた小幅な改良機だった。その中で電子ダイヤルがもたらした一眼レフに近い操作感が、専門媒体と利用者に共通して評価された。
- シリーズ
- PowerShot G
- 位置付け
- キヤノンのコンパクトデジタルカメラ最上位に置かれたGシリーズ10代目
- ライバル
- COOLPIX P7000 DMC-LX5 GXR S10
投稿写真 206枚
Camera Profile
PowerShot G12について
発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。
ラインナップ上の位置付け
Gシリーズはキヤノンのコンパクトデジタルカメラの最上位にあり、2000年10月のG1から数えてG12が10代目にあたる。G4とG8は欠番である。3プレス ITmedia NEWSさらに進化した高画質コンパクト、キヤノン「PowerShot G12」 キヤノンはG12を、本格的なマニュアル撮影機能と拡張性を備えたハイアマチュア向けのフラッグシップと位置付けた。外観はG11から引き継ぎ、光学ファインダー、ホットシュー、ISO感度ダイヤルとモードダイヤルの2段配置を備え、EOS用スピードライトも使える。1公式 キヤノン「HS SYSTEM」を搭載したフラッグシップモデル“PowerShot G12”など コンパクトデジタルカメラPowerShotシリーズの新製品2機種を発売
小さなボディを望むGユーザーには、別の系列が用意されていた。前年のG11の開発者は、ボディの小型化を求める従来のGユーザーの声に応える製品がPowerShot S90だと説明している。4インタビュー ITmedia NEWSデジカメの画素数競争は終わった?――キヤノン「PowerShot G11」開発者に聞く その後継として2010年8月に発売されたS95は、電池とメモリーカードを含めて約193gで、約401gのG12の半分ほどの重さである。5公式 キヤノンPowerShot S95 - キヤノンカメラミュージアム
先代からの進化
キヤノンはG12を、2009年10月発売のG11の基本性能を受け継ぎ、静止画と動画の高画質化と操作性の向上を図った後継機と説明した。実際に変えなかった部分は多い。撮像素子は1/1.7型の有効約1,000万画素CCD、映像エンジンはDIGIC 4のままである。35mm判換算28〜140mm・開放F2.8〜4.5の光学5倍ズーム、2.8型約46.1万ドットのバリアングル液晶、バッテリーNB-7Lと約370枚の撮影枚数も同じだった。画質面の変更は、ノイズリダクションのアルゴリズムを見直し、高感度撮影時の解像感を高めた点にとどまる。6レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】キヤノンPowerShot G12
操作面の最大の変更は、グリップ上部に新設された電子ダイヤルである。キヤノンは、グリップから手を離さずに素早く設定を切り替えるためのものと説明し、EOSの一眼レフに近い操作性を挙げた。1公式 キヤノン「HS SYSTEM」を搭載したフラッグシップモデル“PowerShot G12”など コンパクトデジタルカメラPowerShotシリーズの新製品2機種を発売 この電子ダイヤルはPowerShot G3からG6にあったもので、G12で久々に復活した。6レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】キヤノンPowerShot G12
電子ダイヤルは、絞り優先AEでは絞り値、シャッター優先AEではシャッター速度を受け持ち、ホワイトバランス補正などほかの設定も割り当てられる。背面のコントローラーホイールとの役割分担は、三つのプリセットから選ぶ。G11ではマニュアル露出のときに測光ボタンで背面ホイールの役割を切り替える必要があったが、G12では電子ダイヤルで片手のまま絞り値などを操作できる。7レビュー ITmedia NEWS使い勝手を高めたハイエンドコンパクト――「PowerShot G12」 ISO感度ダイヤルも1段刻みから1/3段刻みに改められたが、設定範囲はISO80〜3200のままである。一方、プログラムAEでのプログラムシフトは電子ダイヤルではできず、AEロックボタンとコントローラーホイールの二つの操作が要る。6レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】キヤノンPowerShot G12
手ぶれ補正には、加速度センサーを使って角度ブレとシフトブレの両方を補正する「ハイブリッドIS」を加えた。8月26日発売のPowerShot S95が先に搭載しており、コンパクトモデルではG12が2機種目にあたる。2プレス デジカメ Watchキヤノン、“ハイブリッドIS”搭載の「PowerShot G12」 効果が出るのは主にマクロ撮影である。ハイブリッドISだけを入り切りする設定はなく、手ぶれ補正は常時オン、撮影時のみ、流し撮りから選ぶ。7レビュー ITmedia NEWS使い勝手を高めたハイエンドコンパクト――「PowerShot G12」
撮影機能も広がった。ダイナミックレンジ補正と暗部補正を別々に設定できるようになり、動画は最大1,280×720ピクセル・24fpsのHD撮影とステレオ音声の記録に対応した。G11の動画は最大640×480だった。動く被写体を追う「キャッチAF」、HDRモード、電子水準器、1:1を含むマルチアスペクトも加わっている。2プレス デジカメ Watchキヤノン、“ハイブリッドIS”搭載の「PowerShot G12」
撮像素子とレンズの刷新は、後継のG15で行われた。G15は新開発の1/1.7型有効約1,210万画素CMOSとDIGIC 5、F1.8〜2.8の新設計レンズを採用し、キヤノンはAF時間をG12より約53%短縮したと説明している。8公式 キヤノンPowerShot G15 - キヤノンカメラミュージアム
ライバル機種との比較
2010年12月のITmediaは、G12をニコンCOOLPIX P7000、リコーGXRとRICOH LENS S10の組み合わせと並べて比べた。3機種とも1/1.7型のCCDで有効約1,000万〜1,010万画素、ブラックのクラシカルなデザインで、ホットシューを備える。光学ファインダーはG12とP7000にあり、GXR+S10にはない。ズームはP7000が35mm判換算28〜200mmの7.1倍で最も高倍率で、G12は28〜140mmの5倍である。バリアングル液晶を採用するのはG12だけで、質量は約401gと3機種で最も重い。9
dpreviewは、P7000とパナソニックLUMIX DMC-LX5に加え、オリンパスPEN E-PL2やソニーNEX-3、NEX-5も競合に挙げている。高級コンパクトが、小型のレンズ交換式カメラとも比べられる時期だった。10レビュー Digital Photography ReviewCanon Powershot G12 Quick Review(導入)
開発の背景
G12がそのまま受け継いだセンサーの構成は、前年のG11で決まったものである。G11の開発インタビューで商品企画担当者は、G10の1,470万画素から1,000万画素へ減らした判断を「大きな決断」と述べ、より大きなセンサーは有利だがボディが大きくなり、Gシリーズはコンパクトなサイズ感を非常に大切にしていると語った。開発担当者は「ノイズを減らすことによる高画質」を打ち出し、同じ感度でのノイズ量はG10の約1/4になったと説明している。動画については、Gシリーズは静止画をじっくり撮るカメラであり、今後の検討課題だとしていた。4インタビュー ITmedia NEWSデジカメの画素数競争は終わった?――キヤノン「PowerShot G11」開発者に聞く
キヤノンはG12でも、ノイズの少ない高感度センサーとDIGICを組み合わせた「HS SYSTEM」を、暗い場面でも手持ちで雰囲気を生かして撮れる技術として打ち出した。同じ訴求は同時期のS95にも使われている。1公式 キヤノン「HS SYSTEM」を搭載したフラッグシップモデル“PowerShot G12”など コンパクトデジタルカメラPowerShotシリーズの新製品2機種を発売
利用者の評判
評価が最もそろうのは、新設された電子ダイヤルによる操作性である。国内外の専門媒体のレビューは、一眼レフから持ち替えても違和感がない、一眼レフのようにストレスなく撮れる、追加のダイヤルが大きな違いを生むといった言葉でこの変更を評価し、価格.comのレビューにも同様の声がある。グリップを握ったまま絞り値やシャッター速度を変えられるというキヤノンの狙いが、そのまま一眼レフに近い操作感として受け取られた。6レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】キヤノンPowerShot G12
一方で、先代からの変更が小さいという見方も専門媒体に共通する。国内のレビューはスペック上は小規模なマイナーバージョンアップ、書き方に迷うほど変更が少ないと評し、dpreviewも仕様はG11と非常によく似ているとした。7レビュー ITmedia NEWS使い勝手を高めたハイエンドコンパクト――「PowerShot G12」
それでも長所は多く挙がった。高感度については、ISO3200でもハガキサイズのプリントやRAWからの仕上げなら使えるという見方が国内外の専門媒体に共通する。G11から引き継いだバリアングル液晶も、専門媒体と価格.comのレビューの双方で長所に数えられている。dpreviewは総合73%とし、ゴールドアワードを与えた。11レビュー Digital Photography ReviewCanon Powershot G12 Quick Review(結論)
不満として専門媒体に共通するのは光学ファインダーで、見やすいとはいえない、構図の確認以上には使えないとして短所に数えられた。価格.comでは、役に立つという声と使えないという声に割れている。6レビュー デジカメ Watch【新製品レビュー】キヤノンPowerShot G12
もう一つの不満は大きさと重さである。専門媒体は、競合よりかさばる、ポケットに入れるより首から下げて本格的に撮るカメラだと指摘した。価格.comの満足度は98件の平均で4.59点とカテゴリ平均の4.34点を上回り、項目別でもバッテリー4.72点、画質4.58点、操作性4.43点などが平均を上回る。その中で携帯性だけが3.78点とカテゴリ平均の4.16点を下回り、重い、大きいという記述が多い。操作性への好評と携帯性への不満という専門媒体の論点が、利用者の集計にもそのまま表れている。12掲示板 価格.comPowerShot G12 のユーザーレビュー・評価
出典
9件
- 1 公式 キヤノン 「HS SYSTEM」を搭載したフラッグシップモデル“PowerShot G12”など コンパクトデジタルカメラPowerShotシリーズの新製品2機種を発売
- 2 プレス デジカメ Watch キヤノン、“ハイブリッドIS”搭載の「PowerShot G12」
- 3 プレス ITmedia NEWS さらに進化した高画質コンパクト、キヤノン「PowerShot G12」
- 4 インタビュー ITmedia NEWS デジカメの画素数競争は終わった?――キヤノン「PowerShot G11」開発者に聞く
- 5 公式 キヤノン PowerShot S95 - キヤノンカメラミュージアム
- 8 公式 キヤノン PowerShot G15 - キヤノンカメラミュージアム
- 13 公式 キヤノン PowerShot G12 - キヤノンカメラミュージアム
- 14 公式 キヤノン PowerShot G11 - キヤノンカメラミュージアム
- 15 公式 ニコン COOLPIX P7000 主な仕様
内容の確認日: 2026年10月5日
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