野球漫画における丸刈り描写
少年野球にて、バントを見事に決める2番バッター君。俊足快打の1番バッターが出塁し、盗塁を決めてバントで三塁へ進めて、三番バッターが返す、という鉄板構図。
少年野球では、ランナー一、三塁だと、一塁ランナーの二盗は、ほとんどフリー、という鉄板構図があります。理由は、キャッチャーが二塁送球する間に三塁ランナーが生還してしまうから。
その鉄板をぶち割ったチームを見たことがあります。ランナー
一、三塁で、一塁ランナーの二盗にキャッチャーが反応し二塁へ送球。当然、三塁ランナーがホームを狙うのですが、なんとこの送球がトリックプレーで、ピッチャーがカットし、三塁ランナーを三本間に挟んでアウトにしてしまいました。定石プレーが頭脳プレーに敗北した瞬間。
残念ながらこのプレーを成功させたのは、息子が所属するチームではなく、相手チームでした。
それはともかく、漫画話。
中学・高校の野球部員は、丸刈りが基本とされていますが、漫画の世界ではそうでもなく、ばっちり丸刈りを描いたのは「キャプテン」「プレイボール」(いずれも、ちばあきお作)くらいのように思います。
「ドカベン」では、スポーツ刈りないし角刈りが主流で、なかには賀間や影丸のようにはっきり長髪の選手もいます。地方大会決勝戦で、里中が熱中症気味になり、監督徳川がヤカンの水をかけて落ち着かせるシーンがあります。ここでも里中はやや長髪。
「巨人の星」でも、丸刈りにしてはみな、黒々しているし、伴忠太は明らかに角刈りプラスアルファだし、花形満は謎の長髪マサカリヘアーだ・・・というように。
しかしながら、これらは、丸刈り描写がめんどくさい、というのもあるかもしれません。
髪形が、大きな転換期の描写につながっているのが「新・巨人の星」。体当たりプレーで長嶋監督の心をつかんだ飛雄馬が、巨人復帰を認められるシーン。ここで長嶋監督は、飛雄馬に、長髪をなんとかするよう指示し、「ジャイアンツでは長髪は禁止だ」と、晴れて復帰を認めることを示唆するわけです。
アニメでは、尺を稼ぐためにか、散髪シーンもていねいに描かれています。
ジャイアンツ復帰後、姉の明子が「さわやかに短く髪を刈った飛雄馬が、3という途方もない背番号をつけてプレーする姿を見ると、泣けた」と述懐するシーンもあり、それまで長髪の風来坊体だった飛雄馬が、短髪に変わることで、プロスポーツ選手として復帰したことがはっきりわかる描写となっています。
全般に、青年漫画らしく丁寧で細やかな描写が目立つ「新・巨人の星」ですが、お色気面は皆無で、あるとすればせいぜい、明子さんのネグリジェ+花形満によるお姫様抱っこ、くらいでした。なんとかわいいものでしょう、あははは。