ペンタックス K10D 作例

2006年11月30日発売

K10Dの仕様

PENTAX K10Dは、2006年11月に発売された、写真愛好家向けの上位デジタル一眼レフである。ボディ12万円前後という予想実売価格に、手ぶれ補正、防塵防滴、独自の感度操作を盛り込んだ。その成り立ちには、最高速度や小型化よりも、さまざまな被写体を撮るための画質処理と撮影機能へ費用を振り向ける判断があった。

シリーズ
K
位置付け
Kシリーズ初の中級機
先代
*ist DS2
後継
K20D
ライバル
D80 EOS 30D EOS 40D α100

K10Dについて詳しく読む

投稿写真 6479枚

Camera Profile

K10Dについて

発売当時の発表資料、専門媒体のレビュー、利用者の声から、この機種の位置付けと評判をまとめました。

登場した時代

2006年9月14日に発表されたK10Dは、当初10月下旬の発売予定だったが、11月30日へ延期された。ペンタックスは、世界から予想を大幅に上回る注文があり、出荷数量を確保するためと説明している。1プレス デジカメWatchペンタックス、デジタル一眼レフ「K10D」を11月末に発売延期 翌年にはカメラグランプリ2007を受賞した。選考で挙げられたのは、手ぶれ補正やゴミ除去、防塵防滴、多彩な露出モードと買いやすい価格の組み合わせである。2プレス デジカメWatchカメラグランプリ2007はペンタックスK10D

ラインナップ上の位置付け

先に登場したK100Dに上位機を加えることは、ペンタックスにとって商品構成そのものの転換だった。製品企画の畳家久志は、K100Dまではエントリー寄りの利用者を想定していたが、K10Dでは徹底して上位機を作る方針を採ったと説明している。中心に据えたのは40〜50代の写真愛好家であり、プロ用途への特化よりも、幅広い被写体を撮るアドバンストアマチュアへの対応を重視した。3インタビュー ITmedia NEWS躍進するペンタックスの意欲作 「K10D」の開発者に聞く(前編)

発表時の予想実売価格はボディ12万円前後、レンズキット13万円台半ばであった。この価格の中に、ボディ内手ぶれ補正SR、72カ所のシーリング、1020万画素CCD、新しい画像処理系を収めている。単にK100Dの画素数を増やすだけでなく、屋外で使う構造や撮影者が設定を操る機能を含めて上位機の役割を持たせた製品である。4プレス デジカメWatchペンタックス、ゴミ除去機能搭載の有効1,020万画素デジタル一眼レフ「K10D」

先代からの進化

K100Dとの比較では、有効画素数が610万から1020万へ増え、SRの公称補正効果も約2〜3.5段分から約2.5〜4段分へ広がった。連写は毎秒2.8コマから3コマへの変化にとどまる一方、感度優先のSvと、シャッター速度・絞りを設定するTAvという露出モードを新設している。連写速度の上積み以上に、画質と露出操作の選択肢を広げた違いが大きい。5プレス ASCII.jpペンタックス、1000万画素CCDを搭載した久々の中級機『PENTAX K10D』を発表

撮影後の扱いにも変更がある。専用RAWボタンを設け、RAWとJPEGの切り替えを行えるようにした。3インタビュー ITmedia NEWS躍進するペンタックスの意欲作 「K10D」の開発者に聞く(前編) RAW+JPEGの同時記録やカメラ内RAW現像にも対応し、撮影時の記録から仕上げまでをボディで扱える。ファインダーにはガラスペンタプリズムを採用し、倍率は約0.95倍、視野率は約95%であった。4プレス デジカメWatchペンタックス、ゴミ除去機能搭載の有効1,020万画素デジタル一眼レフ「K10D」

ライバル機種との比較

当時の比較対象には、ニコンD80、キヤノンEOS 30DやEOS Kiss Digital X、ソニーα100などが挙がった。K10Dの外装はEOS 30DやD200のようなマグネシウムではなく、プラスチックである。外装素材の違いがありながら、72カ所のシールとSv/TAvを備え、RAWはPEFとDNGの二形式を選べた。価格帯だけで機能の上下関係を決めにくい構成だった。6レビュー Digital Photography ReviewPentax K10D Review

開発の背景

画質処理では、画素数を増やすだけでなく、CCDから得た情報をどのように扱うかに費用をかけた。1020万画素はレタッチやトリミングを行う利用者の要望に応えるもので、22bit A/D変換はアナログ信号を細かくデジタル化して処理回路へ渡すために採用された。新エンジンPRIMEは初代*ist D以来、約3年間の研究開発を経たものだった。一方、ISO3200は製品として出せる水準に達していないと判断して見送り、無理にノイズを取り去るよりも素材となるRAWを重視したという。3インタビュー ITmedia NEWS躍進するペンタックスの意欲作 「K10D」の開発者に聞く(前編)

感度をどう使うかも設計思想の一部である。畳家は、Sv/TAvを、フィルムから受け継いだ露出の考え方に感度を自在に操る発想を加えるものと説明した。さらに、ノイズをフィルムの粒状感のような表現に使う考えも示している。販売時の「画質革命。」という言葉には、数値の評価だけに寄らず、仕上がった写真の表現力を訴求する狙いがあった。これはメーカーの画づくりの方針であり、画質を一律に優位とする意味ではない。7インタビュー ITmedia NEWS躍進するペンタックスの意欲作 「K10D」の開発者に聞く(後編)

費用配分が最もよく表れるのは、最高1/4000秒、毎秒3コマにとどめた判断である。畳家によれば、さらなる高速化にはチャージ系やミラーの対策だけでなく、CCDの4チャンネル読み出しとアナログ信号処理回路の倍増が必要だった。中級機に必要なものを選び直した結果が、この速度設定であった。同時にSRは、アクチュエーターの出力と制御を改良し、さまざまな動きで安定して補正できることを目指した。8インタビュー デジカメWatch【インタビュー】K10D開発者に聞く

小ささにも同じ選択が見える。防塵防滴構造とA/D変換回路の大型化を受け、開発側はボディのコンパクト化が難しいと判断した。K10Dが目指した上位機は、すべての数値を引き上げるものではなく、撮影範囲の広い愛好家に必要な構造と処理を、限られた価格の中へ収めるものだった。3インタビュー ITmedia NEWS躍進するペンタックスの意欲作 「K10D」の開発者に聞く(前編)

利用者の評判

価格.comに集まったレビューでは、設定の分かりやすさやカスタマイズ性、CCDの色表現、電池の持ちが繰り返し評価されている。調査時点のボディ満足度は445件で4.73点だった。一方、大きさと重さ、小さな液晶、高感度ノイズは不満として挙がる。豊富な機能を使う楽しさと、それを収めたボディの携帯性との間に、評価の違いが表れている。9レビュー 価格.comペンタックス PENTAX K10D ボディ レビュー評価・評判

評判の出典

17件

出典

19件

内容の確認日: 2026年10月1日

K10Dで撮った写真の話題

この機種で撮影された写真に寄せられたコメントです。写真について質問したり、撮影設定を相談したりできます。

K10Dで撮った写真を投稿する