三脚の頑迷さ
Exif情報
メーカー名 RICOH IMAGING COMPANY, LTD.
機種名 PENTAX K-3 Mark III Monochrome
ソフトウェア Utility 5 Ver.5.10.0
レンズ
焦点距離 27mm
露出制御モード 絞り優先
シャッタースピード 1/50sec.
絞り値 F7.1
露出補正値 -0.7
測光モード 分割測光
ISO感度 2500
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 4096x2731 (7.38MB)
撮影日時 2024-07-07 05:42:05 +0900

1   kusanagi   2024/12/23 22:00

しばらく写真屋には顔を出していなかったのですが、久しぶりに訪れ、手ぶらで帰るのは何だかなと
思い、小さな雲台を買いました。こないだ三脚を整理したときに小型のジッツォ三脚に雲台がないのを
見つけ、今回買った雲台はそれにピッタリと合いました。
三脚、私はもう使うことはないのですが、コレクションだけはあります。使わなくても眺めているだけで
いいのが三脚というやつです。(^^ゞ 

よく言われるのが、写真は写真を撮るのが上等で、機材にかまけるのは劣等だというものです。
これはあたかも常識にように言われるのですが、それは常識ではなくて無知というものです。
写真行為は、機材に眼を向けるか、撮影という名の旅行(旅費)に意を注ぐかの2つにひとつであって、
そのどちらにも金が掛かります。
ただ孤独な時間があればよいというのでは写真は出来かねるのです。これは実際に自分で写真を
やってみると分かります。シンプルな机上論ではすまないのが現実であり写真もそうなのです。

機材に眼を向けるというのは、つまりは画質を求めるからです。レンズはその最たるものですが、
カメラも内臓する撮像素子や映像エンジンによって全てのカメラはその画質が異なります。もっと言えば
データを展開するPCの違いというのもそうです。内蔵するビデオアクセラレーターやモニターによって
画質は違うのです。ソフトウェアもそうですしプリンターもそうです。
画質というのは、写真の世界での重要な要素となり得ます。何でも良いから写ればよい、とはならない
わけですね。

被写体を求めて旅行をする、小さな一日旅から数日をかけての旅行。さらには海外旅行というのもあり
ます。小さな旅でも一回の旅費でカメラやレンズが買える金額を使いますね。
旅行撮影か外面的な旅ならば、画質探求は内面的な旅となります。前者が上等で後者が下等とは
ならないのが写真のもつ本質的属性です。その2つに優劣はないものと考えます。

写真を鑑賞する場合、その画像データを正確に最良に映し出すPC環境が望まれます。一般的なPCや
ましてやスマホ何かでは撮影者の意図は読み取れません。なんでもいいから映ったものが写真だ、
というのは、それは無知というものです。
このように常識とされているものには無知というものが極めて多いのです。自分の常識をまず疑って
掛からなければいけませんね。

しばらく私も写真から遠ざかってみると、いろいろと写真なるものに対して、離れて見てはじめて分かる
ものが多々あります。没入していた時期は当事者であるから見えなかったことが、後に離れてみると
理解できることがあるというわけです。

https://photoxp.jp/pictures/231222
シッポ座さんの投稿ですが、古いレンズをお使いなので、ゴーストやフレアーがでまくってます。それが
また良い雰囲気を醸し出しているのです。そういうレンズの欠点ともいえるものが写真としての表現力
にもなるという、つまり画質の探求というのは機材の全てを駆使して行なうものなので、自然と機材は
増えてくるというのが写真の宿命でもあるわけです。
シグマのシネマ用レンズに、ノンコーティングのレンズがあるのですが、高価ですが人気の機材です。
そのノンコートレンズをスチル用に出してくれれば嬉しいのですが。
ところで、この写真、地平線が少し傾いているでしょう? それがまた雰囲気にマッチしているんです。


三脚というのは、私にとって機材として今や無くてもいいものなのですが、この三脚にはその展開や
設定をすることで、ともすれば無くしがちな写真の作法というものを思い出すことができるのです。
シッャターを切るということの大切さを教えてくれるわけです。
デジタル時代では、手振れ補正技術や高感度センサーによって、ほぼ使わなくなった三脚ですが、
やはり無言で語るものがあります。
一写一写を大切にする精神性ということですかね。
それで…撮影旅行も機材遍歴も、ほどほどでよい。そのように三脚が語りかけてくれるような気がして
ます。(^^ゞ 

この1年半ほど、黒白写真を撮るようになってから、機材は全くといってよいほど購入していません。
赤外線が撮れるフィルター(買ったけど使ってない)、ソニーカメラの予備バッテリー(これも使ってない)、
そして今回の三脚の雲台ですね。
それにしても久しぶりに購入したのが、なんの役にもたたない三脚であったわけで、自分としては
面白可笑しい気がしてます。

この三脚の本体は以前購入していたものてすが、勿論いつ買ったかも覚えていません。おそらく雲台
なしで、ただ綺麗だったから買って置いたのでしょうね。新品同様でした。メーカーシールが剥がされて
いたので安かったと思います。しかし装備はフルバージョンです。
そして今回、それにピッタリと合う自由雲台を手にしたわけです。サイズも色合いも一致。これは不思議な
気がします。こんなにうまい具合にいくものかなあって感じ。

三脚の美しさは、そのシンプルな利用法と仕組にあります。ただぶっ立ってカメラを保持する、それ以外の
意味を全て拒否する頑迷さもあります。この三脚は小型なのでソフトケースに入れて肩に掛ければ持ち
運びは比較的容易ですが、大型の三脚(私のコレクションの大半は大型)は実に厄介です。車からそう
遠くない場所でしか使えません。
ひたすらに安易な撮影を拒否するのが三脚という代物です。今となっては実に不思議な存在ではない
ですか。とにかく私はそういう頑迷さが好きなんですね。(^^ゞ 

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