1 masa 2011/11/25 23:17 昭和39年に大和書房から出版された『自然手帖』という随筆集があります。その中の11月27日の題材が、この"オトコヨウゾメ”でした。古文書・土俗の実地公証家でもあった河田禎氏が次のように書いています。(長文引用ご容赦)「冬のひと日、小さなリュックをかついでさまよう近郊の丘は楽しい。落葉後の雑木林にさしこむ日光は、きびしい朝の霜気を一掃して、心の底まで温めてくれる。花を失った林を飾るものは、ガマズミ、コバノガマズミ、ゴマギ、オトコヨウゾメなどのサンゴ玉である。ガマズミの果を里の子らはドドミといって食べる。うまくはなさそうだ。共にスイカズラ科の潅木だが、ことに面白いのは、合成語らしいその名の、意味も出所もつかめぬオトコヨウゾメである。晩春、ほそい枝先に数個集まってうなだれ咲く花は、弁端に淡紅色のはじらいを含んだ小白花で、かれんな風情を見せる。花もいいが、初冬の候、花のあとに結んだ小果の鮮やかな朱紅色のペンダントは。そのまま取って少女の耳飾りにふさわしい。これこそ私の求める小宝玉である。そのほかユリ科の異端者、サルトリイバラの赤い果も好個の家づとであり、ささやかなヤブコウジもまた、貧しいわが家の正月にかかせぬ床飾りである。花はなくとも、季節に応じた贈り物で人の気持ちを裏切らないのが、尊い自然の常道である。」
昭和39年に大和書房から出版された『自然手帖』という随筆集があります。その中の11月27日の題材が、この"オトコヨウゾメ”でした。古文書・土俗の実地公証家でもあった河田禎氏が次のように書いています。(長文引用ご容赦)「冬のひと日、小さなリュックをかついでさまよう近郊の丘は楽しい。落葉後の雑木林にさしこむ日光は、きびしい朝の霜気を一掃して、心の底まで温めてくれる。花を失った林を飾るものは、ガマズミ、コバノガマズミ、ゴマギ、オトコヨウゾメなどのサンゴ玉である。ガマズミの果を里の子らはドドミといって食べる。うまくはなさそうだ。共にスイカズラ科の潅木だが、ことに面白いのは、合成語らしいその名の、意味も出所もつかめぬオトコヨウゾメである。晩春、ほそい枝先に数個集まってうなだれ咲く花は、弁端に淡紅色のはじらいを含んだ小白花で、かれんな風情を見せる。花もいいが、初冬の候、花のあとに結んだ小果の鮮やかな朱紅色のペンダントは。そのまま取って少女の耳飾りにふさわしい。これこそ私の求める小宝玉である。そのほかユリ科の異端者、サルトリイバラの赤い果も好個の家づとであり、ささやかなヤブコウジもまた、貧しいわが家の正月にかかせぬ床飾りである。花はなくとも、季節に応じた贈り物で人の気持ちを裏切らないのが、尊い自然の常道である。」
2 im 2011/11/25 23:50 森の宝石のようですね。いいお話もありがとうございました。
森の宝石のようですね。いいお話もありがとうございました。
3 調布のみ 2011/11/26 07:08 お早うございます。緑基調の落ち着いた中に光沢のある真っ赤な実が似合い、しっとりとした風情を感じます。読み応えのあるお話、ありがとうございます。
お早うございます。緑基調の落ち着いた中に光沢のある真っ赤な実が似合い、しっとりとした風情を感じます。読み応えのあるお話、ありがとうございます。
4 gokuu 2011/11/26 08:30 masaさん おはようございます。緑の中にしっとりとして下がる赤い実に優しさを感じます。素敵な風情と随筆に感激しています。有難うございました。
masaさん おはようございます。緑の中にしっとりとして下がる赤い実に優しさを感じます。素敵な風情と随筆に感激しています。有難うございました。
5 Ekio 2011/11/26 09:10 masaさん、おはようございます。オフ会で案内していただいた時の「赤い」実ですね。バックの色合いに引き立てられて、添えれらた随筆とあいまって輝きを増しています。
masaさん、おはようございます。オフ会で案内していただいた時の「赤い」実ですね。バックの色合いに引き立てられて、添えれらた随筆とあいまって輝きを増しています。
6 masa 2011/11/26 15:43 みなさま、ありがとうございます。河田さんの随筆、気に入っていただけてよかったです。自然を見る目の優しさをとても感じたものですから。
みなさま、ありがとうございます。河田さんの随筆、気に入っていただけてよかったです。自然を見る目の優しさをとても感じたものですから。
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