【光】を遮る
Exif情報
メーカー名 Canon
機種名 EOS-1Ds Mark III
ソフトウェア GIMP 2.10.32
レンズ
焦点距離 0.0mm
露出制御モード マニュアル
シャッタースピード 1/664sec.
絞り値
露出補正値 +0.0
測光モード スポット測光
ISO感度 400
ホワイトバランス 色温度直接設定
フラッシュ なし
サイズ 667x1000 (584KB)
撮影日時 2023-08-06 21:56:26 +0900

1   トム   2024/10/6 18:55

いい

2   シッポ座   2024/8/14 04:55

tamron 24-48mm

3   kusanagi   2024/10/7 22:53

【光】を遮る https://photoxp.jp/pictures/229405
空を見上げれば https://photoxp.jp/pictures/229813

この2つの写真は、私としては、田中一村の絵を思い出させるところがあるんです。
「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」
https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/9272
アダンの海辺・くわずいもと蘇鉄
この2つは一村の超代表作です。

一村は誰もがやってない絵を目指したところがあります。日本画なんだけど日本画には収まらない。
むしろ、写真に似ているという、不思議な作風の視点が随所に見受けられます。
シッポ座さんは絵のことは知らないだろうと思うのですが、結果として一村の絵と類似するところが
シッポ座さんの写真にはあって、それは大変興味深いです。
おそらくシッポ座さんも、誰もがやっていない写真を目指しているところがあるのかもしれません。
と言いますか、人と同じ写真をやってもしようがないじゃないか。という具合でしょう。

一村の絵は立体的です。3次元の絵になっていますね。遠くの雲や島が、近景の植物群と同時に
一枚の絵に収まっているのです。しかし写真と違って遠景も近景も全ピントでシャープですね。
そういう作風は日本画的ではありません。むしろ西洋画的です。そして遠近感の感覚がシュール画
のようでもあって、本当にどこにもない絵となっています。

一村は日本画(南画)の出身ですし、日本画の絵の具を使っていますから、画質としては日本画の
ジャンルになるんでしょう。
シッポ座さんはカラーフイルム写真の画質から離れられないところがあって、デジタルでの写真なんだ
けど、不思議にフイルム写真風の画質(絵)を出してきます。
で、それがシッポ座さんの個性となっているのです。

参考までに言うと、私はデジタルの抜けの良い画質が好きです。それはどういうことかと言うと、私が
最初に出会った黒白フイルム写真というのは、そもそもカラーと比べれば凄く抜けていて透明感が
あるんです。
フイルムに塗っている感剤はひとつですから。カラーフイルムのように何層も塗り重ねているわけでは
ありません。そういうのはフイルムだけではなく印画紙もそうですね。
そういう、抜けが良くて解像力があってシャープな写真を最初にやったから、それが私の写真に対する
根本的な見方、スタンスになってしまったわけです。デジタルになってもそれを踏襲しています。

そういう具合に画質的なものというのは、最初に出会った媒体に左右されるのかもしれませんね。
それはそれでその人の個性ですからそれでいいんです。変える必要はありません。
それで問題は、その土俵から、そういう生まれの画質的技術をつかって、じゃあ、何も目指すのか。
そういうことが大切となるわけです。
一村の絵は、特に奄美のシリーズは、これは21世紀の絵なんじゃないかっていう気がしています。
かれは数十年先の絵を描いたのかも知れないと感じることがあります。まだ現在の人間には一村の
本当の良さがまだ充分に分からない、そういう時期がまだ来ていないという気さえするのです。

どうですか。シッポ座さん。田中一村展を見に行きませんか。東京都美術館で11月までやってます。
本物の絵、本物の写真、一流の人間の作品というのは凄いものがあります。

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