台湾製三脚

1   kusanagi   2015/4/23 23:49

緑や青ばかりの絵が続きましたので、ちょっと赤や黄の色で。
もっとも、被写体の奏者は昔の娘さんです。

中国製三脚のシルイを買ってみて、それで気になったのが、台湾製ブランドの
ヴァンガードの三脚です。チャイナとタイワン、これがどう違うかという話でも
ありますけど。
ヴァンガードの名前は以前から知っていたのですが、それがタイワンメーカー
であると知ったのはつい最近です。三脚だけでなく双眼鏡なども作っている
総合メーカーです。
http://vanguardworld.jp/index.php/pv/products/photo-video/entry-1-4.html

中古購入したのは、アルタプラス234APという普及タイプの小型三脚ですが、
最初の印象は、なんとも地味で冴えないイメージでした。なんとなくマンフロット
のデザインに似ているけど、とにかく派手さがない。
こんなんで今の時代、売れるのかなって心配するほど。

ところがよく見てみると、塗装は防眩だし、徹底した角丸のデザインで、手を
怪我しないようにしているんですね。脚の開脚度のノッチなどは、日本製は
むき出しだけど、このヴァンガードはマンフロットと同じように本体内部に隠され
ていて、指詰めなどしないようにできているんです。

それからホットシューにはロックが掛かっていて、不用意にカメラが外れる
ことがありません。日本製のはロックなしが多いので要注意なんです。
エレベーターの止めネジは1箇所なのは残念だけど(今回のモデルは普及機
なのでしかたなし)、エレベーター落下を防ぐ為の簡単なゴムクッションがあって
これも気が利いています。指詰め防止ですね。

PH-22という雲台は、これも普及機ですが、なかなか良く出来ています。
3ウェイ雲台だけど、グリスの封入量を多くして滑らかなパン・チルトができる
ようにした最近のタイプですが(動画撮影にも対応で)、ややオイル滲みが
あるものの、オーソドックスな造りで堅牢です。(デザインそのものは今風)
操作感は非常に滑らかで良いです。
脚はレバー式で、日本製と同じレベルの剛性感とは行きませんが操作性は
よいです。

最後にこれは凄いと思ったのが、雲台と三脚は分離できるのですが、専用
工具でガッシリと止められていることです。これが細いセンターポールの弱点
をカバーしています。センターポールは細ければ三脚をスリムにできる利点
があるのですが、どうしても剛性感が不足するきらいがあります。
それを、この取付手法で大きくカバーできているということ。

結論として地味で目立たなけれど、シッカリと作ってあって耐久性も安全性
も高いということです。チャイナ製のシルイとは正反対な行き方をしている
のに、正直言って驚いてしまいました。チャイナ製とタイワン製は、こんなにも
違うものかと。

日本製の三脚は、言ってみれば華やかなカッコよさがあるんですね。
満艦飾って言いますか、ゴチャゴチャしてるけどカッコイイっていうやつ。
マンフロットはデザインが今風で、如何にもカッコイイと思わけるスタイルで
しょうか。
それで、このヴァンガードはスマートで控え目で、日本製ともイタリー製とも
違う。もちろんハッタリを効かせた中国製ともぜんぜん違う。
物静かな通好みの三脚。そういう印象を持ちました。

日本製の三脚がメインですがもかなりの本数を仕入れて使ってみて、一般に
言われているような、日本製はダメでヨーロッパ製の三脚が特別に優れてい
るというのは、それは単なるユーザーの思い込み的な舶来趣味ではないかと
いうことです。
日本製の三脚、スリックやベルボンはどこにも負けないほど優れていている
と思っています。

ただ、ユーザーはカメラやレンズは日本製を使わざるを得ない。そうなって
くると、せめて三脚くらいは海外製のを使いたいという気持ちになってくるのだ
と思っています。
世界中で作られていているのが三脚や雲台です。カメラが実質日本製しかない
というのとは違います。色んな国のメーカーの三脚を使うっていうのは、それは
それで有意義だろうと思っています。

実際問題として、私も三脚を使っての撮影はそうはしません。しかし撮影には
できるだけ持参していきたいと思っています。
三脚とはかなり精神的なもので、三脚という意識が自分の頭の中にあるのと
ないのとでは随分と違ってくると感じているのです。
カメラはアクセルで三脚はブレーキ。そういう風に考えると、三脚のもつ重要性
が分かってくると思います。

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