少しお休みを
Exif情報
メーカー名 Canon
機種名 EOS 30D
ソフトウェア Digital Photo Professional
レンズ 28-300mm
焦点距離 109mm
露出制御モード 絞り優先
シャッタースピード 1/1250sec.
絞り値 F5.6
露出補正値 +0.0
測光モード スポット測光
ISO感度 400
ホワイトバランス オート
フラッシュ なし
サイズ 3000x2000 (5,257KB)
撮影日時 2009-01-02 00:35:52 +0900

1   S9000   2019/10/1 22:54

 ・・・S9000はカメラを変えない・・・のではなく、「カメラを買えない」のです、ふふふ。お金ありません。正直言って、過去5年間の、岡山への新幹線通勤による出費(自己負担)がものすごく痛かったです。毎年5Dを発売当時の新品価格で買っていたようなものです。

 ところで、素敵な竹林のお写真を拝見したり、ため池探索をされたお話を聞いたりすると、とても望郷の念にかられました。おりしも、実家から「イネカリスルカエレタノム」の電報(なわけなく電話)がくるにつけ、ますますです。
 でね、また、ちょっと趣向を変えて、ため池のお話をしましょう。

2   S9000   2019/10/1 23:01

 私の故郷、岡山のため池について。
 岡山平野は、平野の中に100~300mくらいの丘陵が点在する構造になっていて、丘陵は四方八方にタコの足のように尾根を延ばしており、尾根と尾根の間、つまりに谷筋に土堤を築くことでため池を作り、低平地へ向けて碁盤の目状の水路をめぐらすことで、かんがい排水を行っています。
 給水する田圃の面積大小に応じて、ため池の規模も大小様々で、私の故郷の集落では大中小それぞれ1個ずつ存在し、いずれも現役です。
 その大中小のうち、一番大きい池が写真のため池。堤防の延長が120m、周囲は500mそして貯水量は2万トンを超えるもので、ため池としてはたのもしい規模です。
 しかし、2つむこうの集落にこの2倍の規模のため池があり、地区ナンバーワンではありませんが。
 集落の地形構造上、ため池は「人々の頭上に2万トンの水が鎮座している」状況で、もしこの堤防が決壊したら、貯留水が持つ位置エネルギーが解放されて、集落の半数は壊滅すると思われます。(被害想定区域図も公表されていて実家も浸水範囲に含まれる)
 ちなみに水力発電とは、この位置エネルギーを電気エネルギーに変換するものです。2万トンは、中規模の水力発電所が1時間で消費してしまうような水量かな。

 15年ほど前に亡くなった祖父は、この堤防の決壊をかなり恐れていたのですが、1980年代に行政から補助が出て、また集落でも負担金を分担し、堰堤の改修が行われました。それ以降は、その心配を口にすることはなくなりました。
 この堰堤上の通路は、維持管理のためにクルマも入れるようになって、軽ワゴン車で居眠り(しているように見える)のが私の父親。そのむこう、遊んでいるのが私の息子と甥っ子。
 この写真は農閑期(お正月!)に撮ったもので、のんびりしていますが、農繁期(田植え時期)には、ため池の操作を巡って、いさかいもしばしば起きます。「我田引水」という言葉は農村においてはすさまじく説得力があり、番水当番に参加せずに水路に流れている水を勝手に引き込む、我田引水マンはどの集落にもいます。

 今年は、底樋を補修するために春先に一度カラにしたため、田植え時期はギリギリの運用でしたが、その後雨も降ったので現在は平年どおり、のはず。
 なお、このようなタイプの池は「谷池」と呼ばれるらしく、沢をせき止めて湛水するので、大規模な河川ダムのミニチュア的な存在(ダムを上回る規模のものもある)と言え、画面右に見えるのは「洪水吐け」(あるいは余水吐け)です。

3   S9000   2019/10/1 23:06

地元のため池の所有権が誰にあるかは、知り得ていませんが、仕事上で出くわすため池は、土地改良区、財産区、地元共有(総持あるいは惣持ち、もしくは村中持ち)、あるいは個人のものです。公共事業でため池の土地を取得する場合、地元共有であれば法人化を求めるなど面倒ごとがあり、また個人所有であっても所有権と水利権が別の人格に属している場合が多く、何かと手強い物件、というものです。

 農業用ため池の管理と保全に関する法律が成立しており、所有者による届出が義務づけられています。
http://www.maff.go.jp/j/law/bill/198/attach/pdf/index-7.pdf
こういったため池を見て育つと、平野の中に、まるで水を張った盆を置いたように存在する「皿池」(兵庫県南部に非常に多い)は、私のため池イメージからするとおおいに違和感がありますが、これもまた、ため池であることにはかわりないです。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/nk11/af08_000000023.html

 私が知るかぎり、岡山県東南部(備前地方)で一番大きいため池は、備前市香登(かがと)に存在する「大ヶ池」で、備前市の統計資料によれば有効貯水量は46万7千トン。わが池の二十倍もの水量で、雄大な水面を新幹線がわたっていき、季節を選べば夕映えの映り込み撮影にも適した池で、国道2号が併走していてアクセスも良好。
 新幹線が渡池(この言葉あるのかな)している池は珍しいので、じっくりと観察された方もおられます。
https://ameblo.jp/maimai24/entry-10589983402.html

 この貯水量はれっきとしたダムである八塔寺川ダムの46万4千トンを上回る規模で、確かに大きいですが、県下最大の農業用ため池は、津山市にある「塩手池」で、さらにそれを3倍上回る有効貯水量145万トン。江戸時代に津山藩森家が築造したもの。
(当主の無嗣断絶に関するエピソードが堺屋太一「峠の群像」に描かれている)
 ですが、これでもなお、香川県の満濃池(世界かんがい排水施設遺産!)の1540万トンには、十分の一にも及ばない規模で、「上には上がおるのお」(©伴宙太)というわけです。

4   裏街道    2019/10/2 09:55

横浜港からこんにちは。
備前インターを過ぎて坂を下っていくと左手に大池があり車を停めるスペースもありますから
いつかは寄ってみようと考えてました。
新幹線が渡る大ヶ池の夏場は水面を覆い隠すほどの水草が繁殖してますね。
どこの地方でも山間の谷間付近に土を盛っただけのため池がありますが
『大雨が来たらヤバいんじゃないの?』と眺めてます。

5   F.344   2019/10/2 18:48

2009頃は30Dをお使いでしたか・・・
 ため池は先人たちが農耕と栽培に必要不可欠な水瓶だったのでしょう
水資源の活用も時代とともに変わり色々ありますね

6   S9000   2019/10/3 20:17

みなさんこんばんは。コメント感謝です(*^^*)
昨晩は掲示板の調子が悪かったようで、仕事でトラブルがあったことからも、ふて寝していました(笑)

>裏街道さん
 さすが大ヶ池をご存知ですね。瀬戸内市へ向かうルートでしょうか。
 この大ヶ池を望む高台に、自動車学校がありまして、私はそこで教習を受けて、自動車免許を取得しました。だから、実はこのあたりから私の実家はそう遠くなく、故郷の一部といっていいですね。
 大ヶ池は農業用ため池なので、大きな水路が流れ出しており、この水路は同時に吉井川水系の準用河川香登川(かがとがわ)でもあります(少し下流で一級河川になる)
 このくらいの池になると、管理されているのですが、放置されて崩れかかっている池は危険ですね。意外と堤防を分厚く作ってあったり、管理さえしていればわりとタフではありますが。

>F.344さん
 2006年6月から2013年12月までが30Dでした。最後の1年くらいは、シャッターボタンを数回押してやっとシャッターが下りるような状況で、だましだまし使ってましたが、よく頑張ってくれました(感謝)
 先人の知恵ということでは、ため池堰堤には、むやみと樹木を生やさない、という原則が守られています。
 https://photoxp.jp/pictures/49634
上記リンクの写真作例のように、堰堤はきちんと除草して、異常に気付きやすくしているわけで、この点では国が管理している一級河川なみの管理をしています。
 20世紀の文化として、河川堤防に桜を植えて美化するということが全国的に行われたのですが、これは堤防の弱体化につながるので、洪水防御機能維持の観点からは忌避される行為です。
 岡山県内でも、戦後、旭川に桜堤防が整備されていますが、これは台地状の土地を彫り込んで作った人工河道に面した堤防に桜を植えたもので、危険度は少ない。
 オカヤマケンジンは、この点では「あほではない」。(威張ってどうする)

 なお、老朽化して危険度を増した桜堤防に関する考察は、次のリンクに詳しいです。
http://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h19giken/program/kadai/pdf/ippan/ippan2-04.pdf



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