メーカー名 | SIGMA |
機種名 | sd Quattro H |
ソフトウェア | SIGMA Photo Pro 6.7.0 |
レンズ | 17-70mm |
焦点距離 | 17mm |
露出制御モード | 絞り優先 |
シャッタースピード | 6sec. |
絞り値 | F8.0 |
露出補正値 | +0.0 |
測光モード | 分割測光 |
ISO感度 | 100 |
ホワイトバランス | "Daylight" |
フラッシュ | なし |
サイズ | 3616x5424 (12,839KB) |
撮影日時 | 2019-10-27 02:53:05 +0900 |
笑休さんの写真は、おそらくご自分では、写真は引き算の美学である、というふうなスタンスでやって
おられるかもしれません。多くは空と海、大地と空で分割的に構成されていて、それは極めてシンプル
な美学となっています。
このシンプルさは花々などの接写撮影に於いても、ボケを使うことで達成されていますね。多くのプロ
作家の手法もだいたいそんなところです。シンプルさが写真美学の先端を行っているのだろうと思い
ます。
そんな具合で、アマチュアとプロ作家の違いというのは、画面上においてはあまり差がありません。
じゃあ、違いのというものがないかというと、本当はあるんです。プロ作家は、自分の表したいものを
とことん考えているようです。ですから作家の写真を写真集や展示会などで見ると、その背後に共通
したメッセージというものが見えてくるみたいですね。
みたいです、というのは受けての私が読み切れていないところがあるからです。(笑)
今回こうして多くの笑休さんの写真を見ていると、やはり写真の背後に共通したものがメッセージとして
あるんじゃないかなって感じます。
写真というのは、ただ1点だけで、それにタイトルを付けたからといって作品となるものではありません。
やはり写真は群として群れとして見てみないと何も伝わらない時代になっていると感じます。
写真1点にタイトル、というのは昔の西洋絵画の手法ではないですか。そんなの、もう古いです。
動画に対抗できる静止画の復権、ということを考える時、その写真の見せ方もよくよく考えていかない
と、どうしても動画には勝てないのです。
静止画の写真がもし動画に勝てるとすれば、それは文章で言うところの言外の意味、行間に漂う、
秘められた意味というものが発揮された場合でしょう。プロ作家の場合、その背後には思想とか哲学と
いうものがあるように感じられます。
動画は無理やりに視聴者に意思するところが押し寄せてくるのですが、静止画は鑑賞者が想像に
よって、かつ選択的に、受け取る個人差を含みながら、選びとることができるという利点があります。
無理やりな押し付けではないということで、静止画はやはり高尚ですね。
アマチュアとプロ作家の違いは、もうひとつあるだろうと思います。アマチュアは美しいものを美しく撮る
のですが、プロ作家は被写体が美しかろうがそうでなかろうが、自分の表したいものを高度な美学に
よって表現できることです。この差は決定的です。
ふつう、こんなの撮らないよねっていう、都会の雑然さを撮って、そしてそこに新しい美を発見してくる
ことです。この創造ができるということでやはりプロは違うなって思います。
私などは写真は記録と割り切っていて、なんでもいいから撮れればOKなのですが、これらの美しい
笑休さんの写真を眺めながら、ついつい色んなことを考えてしまいます。
瀬戸内は美しいか?と問われれば、人工物ばかりで大自然とは言いがたく、東北などの比べれば
美学的な写真には向かないところでしょう。正直言いまして。(笑) その雑然さに、香川と山口の違い
があるとも思えずで。
しかし本来は瀬戸内は日本で最初に国立公園ができたところであって、明治初期、欧州の人達が
瀬戸内にやってきて、その美しさに感嘆をしたといいます。瀬戸内の美しさの本質は、その次から次へ
と現れる変化にあると言ったそうです。大自然ではありませんから大向うは張れないのですが、小さな
美が飽きせず延々と続く美しさがあるそうです。
これは瀬戸内の海岸を車で走れば直ぐにわかります。船で行っても同じです。多島美の美しさとはそう
言うものかと。
風光明媚な場所にアマチュアカメラマンが群がり、シャッター押して満足・・それはそれで、楽しくて良いことだと考えます。
感染症が拡大する今・マクロレンズが売れているそうですね、自分の身の回りの場所や物に美学を求め、それを写真として具現化する・この作業を日々繰り返すことで、新しい視野が開ける・・そう思います。