| メーカー名 | Panasonic |
| 機種名 | DMC-L1 |
| ソフトウェア | Photoshop Lightroom 4.1 (Windows) |
| レンズ | |
| 焦点距離 | 24mm |
| 露出制御モード | ノーマルプログラム |
| シャッタースピード | 1/160sec. |
| 絞り値 | F7.1 |
| 露出補正値 | -0.3 |
| 測光モード | 分割測光 |
| ISO感度 | 100 |
| ホワイトバランス | |
| フラッシュ | なし |
| サイズ | 3136x2352 (4.08MB) |
| 撮影日時 | 2006-02-09 21:25:59 +0900 |
パナソニックL1とL10は良く似たネームですが、全然違う成り立ちのカメラなんですね。そもそも形も違うし
バッテリーも違います。L1はオリンパスE330と同じフレームを使っています。オリンパスE-300と同じ方式
のペンタプリズムを使わない形の一眼レフですし、E300やE330が中級機でありボディ品質もよいように、
L-1も高品質のカメラです。そして映像エンジンも優れています。手を抜いていないカメラなんですね。
L10はどうかといいますと、これはオリンパスE510ベースでして、510と同じような廉価機というべきです。
510は映像エンジンの手抜きはないと思いますが、L10は手を抜いています。発色が浅いですし、色転び
をよくします。露出補正も正確ではありませんね。
(参考)
オリンパスE330(750万画素)発売日・・・06年2月
パナソニックL1 (750万画素)発売日・・・06年7月
オリンパス510(1000万画素)発売日・・・07年6月
パナソニックL10(1000万画素)発売日・・・07年10月
それで実験的に前回とは真逆のレンズを着けて撮影をしました。今度はL1にパナソニックのレンズ。L10
にオリンパスのレンズです。価格帯は同じクラスのレンズ同士です。
そうすると、L1は映像エンジンがしっかりしているのでほとんど変化なし。やや発色が浅くなったかな、と
いうレベルです。パナのレンズも解像度がありなかなか良いレンズだと思いました。
そしてL10にはオリンパスのレンズを。前回と違って発色が安定しています。黄かぶりが多かった写真が
ニュートラルになりました。色も飛ばずに出ていますね。
ここら辺りの相違が、カメラの違いといいますか搭載する映像エンジンの相違なんです。オリンパスでも
E330は良い色が出ますし高級機っぽいのですが、パナもL1は高級路線なんですね。ファインターも良い
ですしね。(やや暗いのが欠点)
そして510やL10になると大衆路線になり、カメラの品質は落ちています。映像エンジンすら落としてくると
いうわけです。デジタルの場合は後から出るカメラの方が優れているという印象を多くの人がもたれてい
るかも知れませんが実際はそうではありません。価格帯やコストダウンでデジタル部分もコストカットの
対象になるんだということです。
画質と言えば、多くの人がレンズの仕事であると思われているかも知れませんが、撮像素子や映像エン
ジンでも画質は大きく違ってくるわけでして、やはり高級機は良い色を出してきます。もちろん今回試した
ように廉価カメラをレンズでカバーするというのも正解ですが、カメラの映像エンジンも良く考慮して選択し
ないと後で不満足がつのるという場合もあるわけです。
イメージセンサーは汎用性あるのでカメラの価格帯で相違は見せないと思いますが、映像エンジンはカメ
ラ機種ごとに違ってくるとみたほうがよいです。廉価機や中級機の下のクラスを買って、それでレンズは
高級なものを揃えるというのはあまり賢くはありません。それよりも高級機や中級機の上位機種を買って
レンズはそこそこで揃える、というのが懸命な購入法かもしれませんね。
映像エンジンと言えばRAWソフトもそのひとつなんですね。よく言われるのが正確に丁寧に撮影すれば
JPEGとRAWとは同じ結果を得られる、と思っている人達がいるということです。RAWの役割は大雑把な
撮影をして後で修正をするための手法であるというわけですか。
しかしながらRAWソフトは一種の映像エンジンですからJPEG撮影とは段違いの画質を出してくるという
のが事実です。JPEG撮影は手抜きのエンジンなんです。これを理解できていない人は素人に多いんで
すが、おそらくRAW撮影をしたことがないからでしょうね。見比べができていないといいますか、その違い
が分かるPCを持っていないからかもしれません。
そんなわけでカメラやPCの映像エンジンというのは大切な役割を持っているのであって、これを無視して
写真はできないと思ってます。とは言ってもカメラの映像エンジンの不備を他の手段、レンズとかソフトと
かで、ある程度は補えるというのもこれまた事実です。
今回比較したパナL1とL10ですが、実際に撮影をしてみて使いやすいと感じたのは廉価機のL10なんで
す。カメラの形状がL10のほうが持ちやすいのと、ファインダーは廉価なのですが明るいというのが原因
です。(L10のファインダーに装備されたミニマグニファイヤーは外して) L10や510は安物なんですけど
使いやすいというのは確かです。
漏洩電磁波はL1もL10も同レベルですから、画質が落ちるという欠点があったとしても使いやすいL10の
方の出番が多くなるというのはあるでしょうね。パナL-1はボディ品質も良く映像エンジンも良いのですが
やや使いづらいということで損をしているという感じです。
※写真はL-1にパナソニック14-50F2.8-3.5のレンズ。
