メーカー名 | SONY |
機種名 | α7R |
ソフトウェア | Capture One 8 Windows |
レンズ | |
焦点距離 | 35mm |
露出制御モード | ノーマルプログラム |
シャッタースピード | 1/80sec. |
絞り値 | F5.6 |
露出補正値 | -0.3 |
測光モード | 分割測光 |
ISO感度 | 100 |
ホワイトバランス | |
フラッシュ | なし |
サイズ | 2048x1367 (1.26MB) |
撮影日時 | 2013-02-28 01:33:41 +0900 |
改めてのフォビオンセンサー考
ネットで動画を見ておりますと、かつてのテレビ番組でしょうか、「プロジェクトX」というシリーズの投稿が
あり、そこでマツダのロータリーエンジン開発の物語がありました。
このロータリーエンジンというので思い出すのがシグマのフォビオンセンサーだなって改めて感じたわけ
です。ロータリーエンジンの最大の欠点は燃費が悪いこと、つまり熱効率がよくないわけです。圧縮比を
高めることが原理的にできませんからね。この欠点を克服できずでロータリーエンジンは一時的なものに
なってしまいました。
それでフォビオンセンサーというのは、その欠点として現像に時間が大いにかかるということ、また撮影
時の書き込みにも時間が多くかかること。この2つの欠点で、ロータリーエンジンと同じように長く続ける
ことができませんでした。
欠点だけを取り上げましたが長所はどちらも素晴らしいものがありましたね。
フォビオンはとにかく撮影をしたものはよいものの、その現像に多大な時間を要してしまったというのが、
私としては最大の不満でした。クワトロ方式となってからやや解消はされましたがそれでも普通のベイ
ヤー式に比べるとPCの前に座る時間がながくて大変だったわけです。
もしもの話ですが、フォビオンが高画素を求めずに1500~2000万画素辺りで止まっていれば、つまり
SD15近辺の画素数で留まっていれば、フォビオンはもっと長生きできたかもしれません。しかし画素数
を追い求めるのはユーザーの性のようなものですから、それではやはり売れなかったでしょう。フォビオン
でも画素数が少なければ現像時間は少なくて済むからです。
ベイヤーカメラでも1000万画素ちょい、というカメラ、アルファ7SとかニコンD3なんていうカメラは、大変に
優れた画質を出してくれます。しかしながらユーザーはそんな画素数では物足りずで2000~5000万画素
のカメラを欲しがります。
つまり大部分のユーザーは画質ではなく画素数を追い求めるのです。画素数が画質の良さだと思って
いる人も多いでしょう。そうは言ってもカメラの画素数はせいぜい1億画素くらいで人間的には限界に
達するはずです。それ以上の画素数は人の眼には持て余すことになるからです。
ロータリーエンジンもフォビオンセンサーも日本の企業がものにすることができました。唯一無二の、と、
いうことでどちらも1社しか実現できませんでした。極めてマイナーな技術であり特殊なものでしたね。
このフォビオンの技術というものが分かっていずにして使われていたユーザーも多かったと思います。
フォビオンテクノロジーとは、カラーフィルターを使わずにRGBを得ることができる技術なのですが、それ
すら理解できていなったユーザーが多かったと思います。大概の人はフィルムと同じ多重階層という
程度の稚拙な認識しかなかったんじゃないですかね。これはシグマ自体がそういう安易な説明をしてい
たことが主な原因なのですが、今にして思えばもっと違った説明をしていればよかったんじゃないかっ
て思っています。
そうは言ってもフォビオンセンサーが抱える最大の問題は、やはりメーカーにとって製造が難しかった
ことでしょう。そしてベイヤー素子のようなフレキシビリティもなかったのでソニーやキヤノンのセンサー
に追いつけなかったわけです。
一頃、フォビオンは結局、解像力番長でしょう?というように理解をされていた時があります。しかし
フォビオンの良さは解像力なんかてはなく、その独特のリアルな発色やコントラストの画質であった
わけですが、それはとうとう最後まで理解されることはなかったような気がします。