手がファインダーのカメラ
Exif情報
メーカー名 SONY
機種名 α7R
ソフトウェア Capture One 7 Windows
レンズ
焦点距離 50mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/320sec.
絞り値 F8.0
露出補正値 -0.3
測光モード 分割測光
ISO感度 100
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 2000x1335 (1,381KB)
撮影日時 2013-01-14 20:04:49 +0900

1   kusanagi   2016/1/19 23:29

クラシックスタイルのカメラがあります。ミラーレスカメラのソニーアルファ、フジ、そして
オリンパスOMDですか。
これらはミラーレスの利点を活かしてボディを薄くできるんですね。それで自由な
デザインが可能で、たまたまかどうかは不明ですが、フィルム時代の、しかも、
メカニカルカメラのデザインを纏(まと)ってやってきました。

ニコンのDfもクラシカルなスタイルてすが、ミラーレスではないため、ボディは厚めで、
何だか小太りニコンという感じになってしまいましたね。
クラシカルデザインのミラーレスカメラ、概ね販売は成功しているという気がします。
ではなぜ、メーカーはフィルム時代のクラシッなデザインを採用したのでしょう?

たぶんそれは、あの時代がカメラメーカーが最も儲かった良き時代だったからでしょう。
特にフジはフィルムメーカーでしたから、めちゃ儲かったメーカーなのです。(^^;
というのは穿(うが)ち過ぎで、本当は、ミラーレスカメラはファインダーがない。
このカメラとしての弱点を、デザインでカバーする為に、ああいうクラシカルなカメラ
らしいスタイルにしたんじゃないかと考えています。
このカメラは光学ファインダーはないけど、立派にカメラなんだよ。見てよ、このスタイルを。
と言いたいかの如くですね。カメラという記号を背負っているスタイル。

シグマのクワトロは逆に、スマホ時代に相応しいデザインでやったんですね。こっちは
モダーンスタイルでやって来た。とにかくミラーレスもコンデジも、デザイン的には自由に
やれるのでデジイチに比べれば大いに有利です。

ファインダー有りか、無しか。
考えてみればフィルム時代だったファインダーがないカメラがあったし、あっても
申し訳程度のカメラはいっぱいありました。大変コストの掛かる光学ファインダーを装備
したカメラは、やはり高価なカメラの部類だったわけですね。

ファインダーがあれば撮影が楽しい。じっくりとカメラを味わいながら撮影ができる。
それで私などは、一眼レフにさらにアングルファインダーを装備して、もっともっと
ファインダーを豪華にして撮影をしています。
(アングルファインダーは中古もよく出ていて、格安で2倍率のファインダーを楽しむこと
ができる格好のアイテムです。これを使わない手はありません。)
光学一眼レフはスルーザレンズですから、装備した撮影レンズの中を通した光を見る
ことができる。これは決定的に有利で、ただファインダーを見るだけで、別にレリーズ
を押さなくても楽しめるカメラです。

写真の基本は被写体をよく見るということですから、一眼レフに勝るカメラは当分出て
きそうにありません。
スマホ的カメラというか、コンデジとかミラーレスカメラは、背面液晶で撮るケースが
殆んどですから、事実上ノーファインダーで撮っていることになります。
EVFを見て撮ればいいじゃんって言われそうですが、あれはかなり眼が疲れるわけで私は
ほとんど使いません。ほんとにいざという時の緊急措置みたいなものです。

コンデジで申し訳程度に光学ファインダーが付いているカメラもあります。キヤノンの
パワーショットがそうです。これもEVFと同じで、ないよりましと言うくらい。
クワトロに外付けファインダーを着けたのと理屈は同じでしょう。

美しく高性能なファインダー。
これにどっぷりと浸かって、頼りきってしまったのが一眼レフの時代でしたね。
しかし写真はよく考えれば、カメラのファインダーをよく見ることじゃなくて、本当は被写体
をよく見るというのが正解だということです。それならばノーファインダーカメラの方が
良いじゃないかということになります。しかし人間は、ファインダーという付加物の助け
を借りて、どうしても散漫になりがちな視野を狭めた方が見やすいという特徴があるようです。

つまりファインダーは、われわれ人間がものを見るとはどういうことなのか。それを
如実に教えてくれていたのが、あの一眼レフのファインダーだったわけですね。
そのファインダーがなくなったスマホ的カメラ。
我々はファインダーの助けなくして手探りで、自分の力だけでものを見るということを
学んでいかなければならなくなる。我々自身と眼前の大自然の光景との間には何の
フィルターもなく、手助けもなく、とにかく自力で切り取っていくという作業をしなければ
ならないのです。

面白いことに、ファインダーのあるデジイチは眼で光景を切り撮るわけですが、ところが
スマホ的カメラだと、目じゃなく、手で、カメラを持った手で、光景を切り取っていくという印象を
持っています。目で見るじゃなく、手で切り取っていくというイメージ。
つまり、コンデジやミラーレスカメラのファインダーとは、なんと、この我が手がファインダー
であったということです。これはこれで何とも面白いじゃないですか。
そもそもスマホとは、この手でもってして友人とも世界とも繋がるという、そういう手の中の
機器であったわけだから、スマホカメラもその延長に過ぎないとも言えそうです。

スマホ的カメラとして、シグマやリコー、さらにソニーが加わって十二分に使っていますが、
ほんとに実力があるカメラです。そっけないほどの実用的な使い方ですが、これが現代の
カメラと言うべきで、デジタル一眼レフは、もはやこういうカメラには敵わなくなっていると
思ってます。
しかしながら、デジイチのファインダーも捨てがたくて、今の時代、この2つの方式のカメラを
それぞれの利点を活かした使い方をするということが求められているのだと思ってます。

※写真は山口県上関町にて

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