花崗岩
Exif情報
メーカー名 NIKON CORPORATION
機種名 D3S
ソフトウェア Capture One 7 Windows
レンズ
焦点距離 90mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/200sec.
絞り値 F7.1
露出補正値 -0.3
測光モード 中央重点測光
ISO感度 400
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 2048x1583 (2,160KB)
撮影日時 2018-11-11 01:35:39 +0900

1   kusanagi   2018/11/10 21:49

●これまではFMEカメラが万能のような話を進めてきたわけですが、私が予想するに、このミラーレス
カメラこそが、実は、写真文化を破壊してしまう元凶になるだろうという遠い予感があります。
あまり先の未来を予想しても目先の利益にはならないんですけど、試験的に敢えて書きましょう。
ミラーレスカメラは背面液晶モニターか、EVFファインダーを見て撮影します。そして一眼レフは飽く
までも光学ファインダーで見ます。
それでどんなに頑張ってみても、EVFは不自然であり、優れた光学ファインダーには敵わないところが
あります。

カメラの原則は、①にファインダー、②にボディ(今では撮像素子も含む)、③にレンズです。
この確信とも言える私の定見は、フィルム時代に私が見出したものですが、デジタル時代になって
からも変わらないと思っています。
それでFMEカメラは一番大切なファインダーがダメになったカメラなんですね。
皆さんはまだ光学一眼レフをメインでお使いだからピンとこないかも知れませんが、カメラの肝とも
言える光学ファインダーを無くして、本当に写真が撮れるのか。楽しめるのか。長く続けられるのか。
そういう問題をこれから突き詰められてくる時代だとも言えます。

カメラの長い歴史からすれば、ファインダーのない時代もあったのです。と云いますか当初はカメラ
にはファインダーがありませんでした。また一眼レフが主流になってからも初期時代の一眼レフの
ファインダー、つまりフォーカシングスクリーンはショボイもので、長くピント合わせをし続けていると
頭痛がするという代物でした。
光学ファインダーが良くなったのは、このフォーカシングスクリーンがナノ技術で高性能になり、かつ
AFカメラとなってファインダーが素通しになってからでした。そして現在のデジイチの光学ファインダー
は史上最高の光学ファインダーとなっています。

そのファインダーのお陰で皆さんは写真をやれている。写真撮影を続けられている。そういうことだ
と私は思っています。特に芸術的な作風の写真をされている方はファインダーに頼り切っていると
思いますよ。
そのファインダーがなくなって、EVFとなって写真がこれまでように続けられるのか。
とりあえずやっている人がいます。笑休さんですね。(^^ゞ たぶんもうデジイチは持っていないはず
です。

私の場合は昔からノーファインダー撮影をよくやっていましたので、あんまり違和感がないところが
あります。ノーファインダー撮影とはファインダーをよくみていなくても敢えて撮影をするという、つまり
被写体だけを見て撮影する手法です。カメラを見ない、ファインダーも見ない、という撮影です。
しかし大部分の人の撮影手法はファインダーに頼った撮影をしています。それも優れた光学式ファイン
ダーに頼ってです。

話は唐突に変わります。
今は車離れが起きています。若い人は無理をして車を買なくなってますね。車なんてもうシェアウェア
でいいよ。車なんて面倒なだけだ。と考えているようです。事実、最近の車はスポーツカーを除いて
全然面白くないですし、ただ運転が疲れるだけのものなっています。
これはメーカーが車をわざとそのようにしているからです。メーカーの目指す車とは自動運転の車で
あって、それは走る箱、もしくは走る棺桶みたいなものです。これは車メーカーの自滅と言ってもいい
ものですが、それが今の時代の流れというものかもしれません。

そしてFMEカメラもそのようになるでしょう。光学式ファインダーを捨てたカメラは、当初はマウントコン
バーターなどで物珍しくて関心を引くでしょうけど、長い目で見ればユーザーの写真離れを引き起こす
だろうと思います。なぜならば、FMEカメラで写真を撮っても撮影自体は楽しくないからです。
車が、ドライブの為のドライブにユーザーが楽しさを見出して、それが牽引力となって車ブームが起き
たように、カメラを使うのが楽しいから、写真の為の写真を撮るというブームがあったんです。

多くのアマチュアカメラマンは、ほんと言うと何かを撮影する為に写真を撮っているのではなくて、写真
を撮るのが、そのこと自体が楽しいから写真を撮っているんですね。
それは若いドライバーが車を駆けるのが楽しいから無用の用でも車を走らせるのと同じことです。
車が楽しく無くなったのは、技術的に言えばマニュアルトランスミッションが廃れたからです。それは
同時にATをもダメにしてしまいました。MT車こそ実は車の楽しさの原動力だったのです。今では
MT車に似せた運転して楽しい(そして安全な)AT車もほとんどなくなっています。

この車のMTに相当するのが、カメラでは光学式ファインダーです。これは間違いのないことでしょう。
ですから光学ファインダーという一眼レフが廃れてしまうと、写真を趣味とする人はおそらく激減すると
思います。
FMEカメラでも長く写真を続けることは可能です。しかしそれには写真を撮るだけが趣味だ、という
のでは無理なのです。写真よりも被写体に対する飽くなき関心が求められるのですね。
上の方で、ノーファインダー撮影のことを書きましたが、究極のノーファインダーとは撮影時の手法を
いうのではなくて、被写体こそが自分の関心事であり、写真とはそれを記録することだけだ、という
考え方の大転換が求められるということなんです。

カメラでもなく写真でもなくて、ただ被写体にこそ自分の関心事があるという人は、この掲示板にいる
のか?と問うと、ほとんどいないでしょう。いやいるんですよ。しかしごく数%の方だけです。
被写体にこそ私の関心事が最大であり、それを見たい知りたいということだからこそ、面白くのない
カメラを使い、面白くもない車に乗って出かけられるんです。

車に於いてこれからの時代、走る箱になっても、やはり駆ける楽しみを味わいたいという人はいます。
そのような方だけがスポーツカーを買い求めます。それはほんの数%、いや0.数%です。
https://www.youtube.com/watch?v=d8Q-btpUI3Q&t=298s
そして、光学一眼レフはこのままで行くと消滅します。
なぜならば本質的にはデジイチの発する電磁波が問題となるからです。デジイチはライブビュー撮影
ならば電子シャッター化して電磁波ゼロにできます。しかし光学ファインダーを使いながらではできま
せん。
光学ファインダーを使っての電磁波ゼロは、手巻きチャージレバー装備か、DCモーターを超音波モー
ターにするしか現在では方法がありません。むろん性能は落ちるでしょう。

しかし時間は急務です。いまメーカーが新しい電磁波ゼロの光学ファインダーカメラを出さないと、
カメラは完全にFMEカメラに食われてしまって、それはやがては写真の文化、写真を撮る楽しさを消滅
させてしまうことになります。それは車文化の二の舞いですから。

車が自動運転になるように、写真もいずれは自動撮影となる時代がくるでしょう。それでも光学一眼
レフを持ち出して写真を楽しむユーザーは必ずいます。その時に使っているカメラが安全なカメラで
是非あって欲しいものですね。
現在、私はFMEカメラのソニーでマウントコンバーターでもって様々なレンズを使うという楽しみと、
それから写真を超えての被写体への関心で楽しんでいるのですが、光学一眼レフ、即ち光学ファイン
ダーを捨ててしまったということではありません。

私は、同じく写真をやっている知人に、お前は機材ばかりに眼が向いていて本当に写真を知らない。
と言われることがよくあります。(笑) しかしながら本当に写真を知らないのは、そういう知人達なん
ですね。彼らは写真を撮っているようでいて本当はカメラを使うのが楽しいというだけなんです。
このフォトXPでも殆どの方がカメラなどの機材を使えのが無上の楽しみで写真を利用しているだけに
すぎません。
それが証拠に写真ではなく、被写体に関する記述が言及が殆どないでしょう。被写体というものを
便宜上利用して、カメラを使うという自分だけの楽しみに浸っているだけということになるんではない
ですか。

もちろんそれはそれで構わないのですが、そういうものは光学ファインダーがなくなれば十分に楽しむ
ことができなくなるのは、ここで述べたとおりです。
しかしながら今現在、光学ファインダーがないカメラを使っていくということは、写真とはなんだろう、
写真をやっていくことはどういうものなのか、という自分なりの考察をするにはちょうど良い実験と訓練
になるだろうと思ってます。

いずれは写真も車と同じように自動撮影となり、写真撮影を楽しんでいくという時代は過ぎ去っていく
という気がしています。AIで自動撮影(自動構図)をするほうが上手い写真になるという時代はもうすぐ
来ています。
適当にカメラを向けていて後はカメラがAI自動処理して傑作写真が生まれるという、そういう時代に
なれば、カメラマンはカメラを持ち運ぶだけの動く三脚でしかなります。そういう苦痛な写真なんぞ、もう
誰も楽しいとは思わないでしょう。

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