メーカー名 | Canon |
機種名 | EOS-1D Mark III |
ソフトウェア | Capture One 7 Windows |
レンズ | |
焦点距離 | 35mm |
露出制御モード | 絞り優先 |
シャッタースピード | 1/3158sec. |
絞り値 | F2.0 |
露出補正値 | -0.3 |
測光モード | 分割測光 |
ISO感度 | 100 |
ホワイトバランス | |
フラッシュ | なし |
サイズ | 3888x2592 (3,595KB) |
撮影日時 | 2007-01-04 01:54:29 +0900 |
最近は手持ちカメラを区別して使おうかなって考えてます。
まず記録写真として使うカメラ、これはまた歩きの撮影でもありますね。撮った写真は殆ど見ない
のでなんでも良いから写ればよく、小型のカメラに標準・広角ズームを着けたやつ。これには
APS-Cやフォーサーズのカメラをあてがうことにします。
次には、めったには撮影しないのですが、画質を楽しむカメラとして、フルサイズかAPS-Hサイズ
のカメラを使うことにします。レンズは出来れば単焦点レンズ。またオールドレンズなども。画質と
言いますか描写を味わうカメラですね。そして低画素のカメラがよいです。
このボケの美しいレンズをみて、笑休さんを思い出したのですが、さてフジ板を振り返って見てお
りますと、23ミリF1.4レンズというのがありますね。35ミリ相当のレンズなんでして、素晴らしい
レンスだともっぱらの評判です。しかしそういうレンズも捨ててシグマに行ったわけですね。
それは何故でしょう。私の考えとしては所詮はAPS-Cカメラは画質として描写力としてフルサイズ
には敵わないからです。
APS-Cやフォーサーズカメラは、カメラもレンズも小さくなるし軽くなる。そこが利点です。そして
値段も手頃ですね。しかしそれ以外はフルサイズには敵いません。
今回タムロンの35ミリやシグマの35ミリなどを試してみたのですが、純正レンズの半額という価格
でありながらも圧倒的な描写力があるのであって、しかしあくまでもそれはフルサイズカメラで撮る
からそうだと言えるわけです。APS-Cやフォーサーズに着けて撮ったところで大したことはありま
せんから。つまりフルサイズは、描写を楽しむカメラとしてはそれほどに有利であるということだと
思います。
それで改めて大事にしたいと思ったのは、画素数の低いフルサイズ機ですね。やはり階調が素晴
らしいのです。高画素のフルサイズはやはり描写が硬いです。硬いというのはコントラストが付き
過ぎなんですね。それはどんなカメラでも高画素タイプになると、硬調のコントラスト過多になり、柔ら
かな描写とはなりません。ボケも汚くなりますし。何といっても階調が乏しいので中間階調がなく
なっているんですね。それで解像力がありシャープであるというだけかもしれませんね。
しかし低画素フルサイズカメラは、ソニーを除いてもう古いカメラばかりですから、いづれは使えなく
なります。楽しめるのは今のうちかなって考えています。
以前に私が問いかけたところの超高画素高画質カメラ問題というのは、要するに精細に見てみれば
画質に於ける過剰コントラストの問題であり、多画素数というのはその途中経過でのことであって、
本質的には強いコントラスト、硬調で眼にキツい画像が問題であるのだということになります。
これはまたモニターとも密接な関係があり、高輝度モニターでみれば耐えられないことになるわけ
です。これらにやられてしまって、それで超高画素高画質カメラをお使いだった投稿者が姿を消した
ということになるじゃないですかね。
低画素フルサイズは確かに高コントラストなのですが同時に豊かな階調がありますし、それで柔らか
な描写をします。コントラストは強いけれど眼にキツくない。そもそもそ現実の世界はそのようなもの
です。裸眼で光景を見れば、写真なんかとは比べものにならないほどに高輝度・高コントラストなの
ですが、同時に豊かな階調があり柔らかい光景世界なんですね。それと現実光景は光に反射された
光景ですが、モニターは直接光です。この違いもあるので、モニターで写真を鑑賞することであれば
思った以上に柔らかく緩いコントラストにしなければならないようです。( これが印刷ということになる
とまた考え方も違うんですがね)
こんな感じで、だいたい考えが煮詰まってきたようですね。長らく疑問符が付いていた超高画素高画
質カメラというものの実態が見えてきたように思えます。そういうカメラ、確かにプリントや印刷をすれ
ば素晴らしいものがあるのですが(アサヒカメラの写真でもそう)、モニター鑑賞では辛すぎるというと
ころでしょう。
このタムロン35ミリf1.4、キタムラさんからメーカーに聞いてみると、古いカメラ機種には対応
していないようです。それで1Dマーク3や1DSマーク3では、ピントずれのオンパレードになった
わけです。手持ちのカメラでは5Dマーク2や7DではAFは正常でした。
同じタムロン35ミリF1.8が古い1Dで使えるだけに、ちょっと、と言うかかなり残念です。
発色は私が期待した淡い発色ではなく無理やり色を乗せている感じで後調整が必要です。この
写真はほぼ調整無しでコントラストを僅かに強めたのみのケース。
このタムロンのレンズは緑が黄緑になるケースが強く、それは安っぽい色なので、後調整は
可能とはいえ、ここらは完全にシグマに負けています。
しかしボケの柔らかさは特筆モノでして、あらゆる絞り値でも綺麗で自然なボケ味となります。
シグマのレンズはあまりボケが綺麗ではないので、そう言えば、笑休さんこそこのタムロンを
使うべきだったという気がしてます。
それから彩度がf1.8レンズに比べれば上がっていて、リアル感が増していますね。これも好印象
です。
高解像度のレンズをたかが1000万画素のカメラで使ってみたわけですが、別段問題があるわけ
ではなくて、とにかく柔らかい描写とボケの美しさが印象に残りました。
今回はちょっと失敗の巻の事例ですが、機材導入では当然に失敗も成功もあるわけで、その
失敗を噛みしめることで写真への理解がより進むと考えています。
私の場合はもう、写真という名のテクニックや手法には関心がなくなっていて、単純に画質を
味わうとか、それからひたすら歩くだけの記録撮影とかになっています。
このところの単焦点レンズ導入は画質の味わいを楽しむものですね。このレンズ、本当は低画素
の古い機種で使いたかったのですが残念です。MFでフォーカスエイドが効くとはいえ、この繊細
すぎるレンズをファインダーのMFで合わせるのは至難の業です。
この写真の撮影カメラは、
EOS-1D Mark III 発売年月2007年(平成19年) 5月 28.1×18.7mm約1010万画素
こんな感じです。
参考までに、ほぼ同時代のカメラを引き出すと、
EOS Kiss X4 発売日2010年2月26日 22.3×14.9mm約1800万画素
https://photoxp.jp/pictures/210450 (tontonさんの作品です)
https://photoxp.jp/pictures/210473 (tontonさんの作品です)
IXY DIGITAL 70 発売年月2006年(平成18年)3月 1/2.5型CCD約600万画素
https://photoxp.jp/pictures/210493 (tontonさんの作品です)
時代区分としては全て東日本大震災以前のカメラですね。
私の写真はサンプル写真なので論外ですが、tontonさんの写真は素晴らしいです。
そして思うに、もうこのような写真を撮ることは出来ないのではないか、ということです。
https://photoxp.jp/pictures/210418
https://photoxp.jp/pictures/210419
ここで投稿者の森さんが述べていますが、既にカメラではなくてスマホ撮影に行って
いるということです。
最近私も思うに、もしかすれば写真趣味の時代は終わってしまったのではないかと
いうことですね。
そう考えるのは私が長く写真を続けてきたからだろうと言えますが、この20年間の
機材や写真の発展は相当なものがあるはずです。
下の「こまいぬ」写真はソニーILCE-7RM2ですが、2015年6月の発売のようです。
EOS-1D MarkIIIが2007年5月ですから8年の時代差があります。そして画素数は4倍
になっています。使ったレンズは同じでも、その描写はまったく別物です。この2つの
写真を同じ写真として捉えることが私には出来ません。
簡単に言うと、キヤノン1000万画素はモニターで楽々見ることが可能ですが、ソニー
4000万画素はモニターではなくプリントや印刷で見る写真なんでしょうね。
職業柄雑誌なんかをみておりますと、3000万画素から5000万画素カメラで撮ったもの
が多いのに気づきます。これはキヤノンたな、ニコンかな、ソニーだよね、なんて想像
していますが、印刷物で大きな面積の高精細な写真はそういう高画素のカメラで撮ら
れているようです。つまりそういう用途のカメラが最近では主流であるということです。
主流というのはおかしいかもしれませんが、そのような高画素のカメラが、今の機材や
写真の流儀を牽引しているということです。
最近のカメラは全て2000万画素以上です。フルサイズともなると3000万画素以上。
1千数百万画素のカメラなんて中古でしか手に入りません。我々が趣味で写真をやって
いて、主にモニターで鑑賞する場合には2000万画素以下のカメラがちょうど良いんですね。
とにかく人間の眼というのはそのように出来てます。
数千万画素のカメラはおしなべてというか全てなんですが、そのセンサーの素子が超
コントラストタイプになってます。そしてレンズもそうですね。そうしないと反射写真である
印刷には合わないからなんです。ちなみにモニターは透過写真ですか。
タムロンの最新の単焦点レンズは、驚くべきことにコントラストではなく階調重視のレンズ
のようです。まるで時代に逆行しているように思えるのですが、それは他メーカーの多く
がコントラスト重視であるから、我が社くらいはそうではないレンズをユーザーに供給したい
ということなのかもしれません。想像でものを書いているので実際は分かりませんが、
少なくともライバルのシグマアートレンズとは真逆の行き方をしているみたいです。
しかしながらささやかな抵抗というべきであって、高画素カメラで撮ればやはりタムロン
のレンズであっても出てくる画像はコントラストの強い写真になります。とは言え、タムロン
というレンズが存在するだけで救われるものは多々あると感じています。
超高画素カメラを趣味写真の日常とし、それで自分の写真をやって行けていると考える
のは、もしかすれば過ちを招くかもしれないと考える時があります。私の場合の高画素
カメラの線引は2000万画素なんですが、2000万画素を超えるカメラは私は要注意として
います。とはいえ今や2000万画素ラインなんて最低限の画素数になっています。
そんなわけで、長らく続いたデジタルカメラでの、趣味写真という時代は終わったのでは
ないかと私は考えています。少なくとも3~4000万画素オーバーのカメラはプロが印刷を
前提にする写真であるわけで、ささやかな趣味写真とは違うものであると考えています。
冒頭に引き合いにだしたtontonさんや森さんの写真やコメントには、大いに参考になる
ところがありました。改めてお礼をいいます。