月山越え
Exif情報
メーカー名 NIKON CORPORATION
機種名 D700
ソフトウェア Capture One 6 Windows
レンズ
焦点距離 24mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/50sec.
絞り値 F3.5
露出補正値 -0.3
測光モード 分割測光
ISO感度 800
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 1363x2048 (1,854KB)
撮影日時 2017-05-05 18:55:39 +0900

1   kusanagi   2017/6/4 22:46

私の東北行きで、そのプランで一番苦慮したのは月山の扱いであり、また山形の内陸盆地
を垣間見ることだったのです。
庄内平野も八郎潟も鳥海山も、言わば海岸沿いばかりであり、これでは「面」ではなく、単に
「線」を踏破したに過ぎないからです。南北線という「線」の移動から「面」という厚みを持たせる
ためには、どうしても東西線を走らなくてはなりません。
そこで考えたのは、庄内の鶴岡市から高速道に乗り、月山越えをして山形平野にでるという
一案でした。

いわゆる観光という見方をすれば、それは大体は「点」といスポットの考え方になりますね。
観光バスのルートを見ればよく分かるように、観光地点を最短距離で結んだだけのルートが
ほとんどです。だから移動時は眠っていてもいいんです。
しかしそれでは、わざわざ自分で車を走らせる意味は薄くなるわけです。「点」の観光ではなく、
まず「線」という考え方をして、さらに自分の体でその距離感というものを覚えさせることが
大事です。
さらに進んでその「線」を組み合わせて「面」とし、そして総合的に山形、出羽という国柄の
大雑把なイメージを掴みたかったのです。

私はこういう考え方をとても大事にしていて、観光スポットに行くまでの移動距離というものに
意味をもたせようという考え方なんです。車で走り、移動する距離と時間こそ、本当は大事なん
だということなんです。
そもそも此方から東北へ行くという場合に、普通であれば高速列車や航空機で現地に飛び、
そこから車をレンタルして、というのが今までの常識だったかもしれません。しかし現地までも
車で走破することができるようになったのは、全国網を持つ高速道の整備のお陰です。

この全国高速道の整備がこれまでの常識を変え、車中泊をすればどこへでも自分の車で行く
ことができるという時代になりました。
また高速道だけでなく一般道の道の駅の整備も著しいですね。
それでこの私の、「点」から「線」へ、さらに「面」へという考え方は、もう皆が持てるようになった
のです。点・線・面の考え方は、従来の観光の考え方を変え、言わば大陸的な、グローバルな
考え方がこの日本でもできるようになったといってもいいでしょう。
また点・線・面の考え方は軍事侵攻学の考え方とも一致します。もっと大きく考えれば日本列島
の地政学を考えるのにも役立ちます。

この点・線・面の考え方は列車に乗っていても同じことです。ボケーッと車窓を眺めるのでは
なくて、自分が列車を走らせているようなつもりになって、地理感覚を持ちながら車窓を見なけ
ればなりません。列車は自分で運転するよりも有利な点があってマップで調べながら走ることが
できることです。

それで全国の高速道・道の駅を旅する愛好家は、知らず知らずのうちに全地球的な考え方が
できる下地にもなっていると思うんですね。これはローカルなグローバリズムとでも言っていいで
しょう。
四国から1千キロ走れば日本海沿いに秋田まで行くことができる。
その考え方を延長すれば、日本海を周遊することも可能ではあるんですね。東北から北海道、
さらにサハリンに行き、ロシア極東から沿海州を走り、朝鮮半島東岸から九州まで戻ってくること
が可能です。
そうすると日本海はただの内海になり、瀬戸内海と同じことになるんです。ちなみにこの日本海
沿岸の整備開発がこれからの極東・東アジアの命題だろうと考えています。

話は大きく逸れましたけれど、鶴岡・山形盆地の高速道ルートは、途中、月山の山ふところも
走るということで、これは欠かせないと思ったのです。そして山形盆地にでれば、それは最上川
を下るにも有利であるわけですね。
山形には南から書けば、米沢盆地・山形盆地・新庄盆地という日本でも最大級の盆地平野が
控えています。ここを少しでも走りぬけて体感したいということだったのです。
時間的な余裕がなく、山形市までは行けず寒河江市まででしたが、それでも山形盆地と新庄盆地
を走り抜くことが出来たのは貴重な体験でした。観光写真的にはさほどのものありませんでした
がそれでも数多くの平野の佇まいを撮影することができました。
今になって一番に思い出深いのはこの盆地平野だったようです。

2   kusanagi   2017/6/4 22:45

山形自動車道の寒河江SAにて。
東北の地、最期の宿泊地でした。

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