キアシシギ参上
Exif情報
メーカー名 Canon
機種名 EOS 70D
ソフトウェア Digital Photo Professional
レンズ 180mm
焦点距離 180mm
露出制御モード マニュアル
シャッタースピード 1/395sec.
絞り値 F2.8
露出補正値 +0.0
測光モード 分割測光
ISO感度 400
ホワイトバランス オート
フラッシュ なし
サイズ 2400x1601 (1.88MB)
撮影日時 2023-05-07 18:25:23 +0900

1   S9000   2023/5/11 08:13

 雨の日に遭遇した、キアシシギと思われる二羽のうちの一羽。つがいで行動している様子で、カラスに威嚇されて、バラバラに逃げていました。最初、いつものイソシギだと思って眺めていると、カラスとの大きさの関係がどうもおかしい・大きすぎることに気づき、撮影してアプリ「ピクチャーバード」で調べてみると、メリケンキアシシギと判定する写真もありましたが、どうやらキアシシギのようでした。イソシギ、タシギに続く、みっつめのシギをゲット!の図。
 さてさて、シギ、カワセミ、ツバメなど、水面近くを颯爽と直線的に進む様子がかっこいいのですが、いわゆる空力学(流体力学)上の「地面効果(水面効果)」を得て、エネルギー消費を抑えて効率的な飛行をしている様子です。この「地面効果」、誰しも子供の頃に遊んだであろう空力おもちゃである紙飛行機、カイト、プロペラシューター、フリスビーなどで無意識のうちに活用しているものです。例えばプロペラシューター(洋物の竹とんぼ)は、地面近くに向けて緩やかな角度で射出すると、いったん地面に近づいた後に、地面効果でホップするよう浮揚して、まっすぐ飛ばしたよりも遠くに、優雅に飛んでいきます。
 フリスビーとして親しまれたフライングディスクは、いろいろな形で競技としても発達していまして、その中で、地面効果を利用したエアーバウンスという投法もあるそうです。しかしスポーツ分野でもっとも地面効果が重要になるのは人力飛行機で、琵琶湖で行われる大会などでは、水面近くを飛行するのが最も効率的とのこと。それに次ぐのがスキーのジャンプ競技で、上位選手が着地際に距離を伸ばすのはこの地面効果が大きく、計算上は6mくらい飛距離に貢献するという研究結果もあるとか。
 しかしながら、流体力学を一番実践しなければならないスポーツは、機械や道具を使うものではモータースポーツ、そして人間の力だけで競うものでは水泳だと言えそうです。モータースポーツのグラウンドエフェクトはまたニュアンスが違ってくるようですし、水泳では潜って推進する有利は、水面(空気との境界面)を泳ぐときに比べて造波抵抗が少なくなることを重視しているそうです。
 一方、地面効果がネガティブな効果を及ぼすのは、軽飛行機の着陸・着艦のときだそうで、この場合は地面効果によるプラスの揚力が不安定な挙動につながります。漫画「アルキメデスの大戦」で、艦載機の競作において主人公は競合機が低翼機であるがゆえに、着艦挙動が不安定であることを見抜き、陸上の飛行場だけでなく、着艦実演に持ち込むことで勝利する、というくだりがあります。直接は説明されていないものの、数学的天才である主人公は流体力学にも天才的なセンスを発揮した、の図。
 カイトでは、着地時に痛めないようソフトランディングさせるために、着地際にふわりと持ち上げるテクニックにこの効果が関係していたような気がします。(気がするだけです)一方、紙飛行機では、精密に作らないと水平姿勢が保てず翼の一方が着地してしまうため、チラシを折って作るようなものではこの効果を体験したことはありません。滑空比を競うようなときには、この効果が重要になるようです。
 そうは言っても、私自身は流体力学の専門家ではありませんので、数式や理論で説明はできません。ただ、野鳥ほどではなくても、私たちは自転車やバイク、クルマ、そしてランニングするときに、無意識のうちに流体力学に沿った行動をとっているようでもあります。そして、誰しもたしなむ(下品とも言われるが)口笛の発音原理も、流体力学に基づくものなのです。むはははは。

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