アニメセル画を写真で再現する~カワセミ「ベー君」チャレンジカップ
Exif情報
メーカー名 Canon
機種名 EOS 70D
ソフトウェア Digital Photo Professional
レンズ TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2 A022
焦点距離 256mm
露出制御モード マニュアル
シャッタースピード 1/197sec.
絞り値 F5.7
露出補正値 +0.0
測光モード 分割測光
ISO感度 800
ホワイトバランス オート
フラッシュ なし
サイズ 2700x1800 (2.01MB)
撮影日時 2022-03-25 02:36:34 +0900

1   S9000   2023/5/29 21:23

 セル画を使ったアニメーションは連続して変化する静止画を素早く入れ替える事
によって、残像効果により動いているように見せる表現技法ですが、静止画だけで構成する漫画では、ストロボモーションやブレを使って、静止画に時間軸を持ち込み、動きを表現しています。
 漫画とアニメの中間的な表現で、いささかギャグ調ではありますが、人物や動物の手足を実際より多数描く「千手観音」技法(「北斗の拳」が有名)は、この残像表現を誇張表現したものです。また、「新巨人の星」の魔球「蜃気楼ボール」は原作漫画では語られていなかった原理をテレビアニメにおいて、残像効果で説明したあたりに、アニメ制作者の発想を感じます。
 アニメーションではなく、セル画そのものをスチル写真で表現するにあたって、そうした残像を表現するには、高速連写+合成か、長秒露光+高速ストロボ、が思い当たりますが、野鳥相手に高速ストロボはよろしくないしそもそもそういうセッティングは私には不可能なので、ここは連写と合成です。
 70Dの連写は秒7コマとそう速いほうではありませんが、ここでは9枚を合成。
 モデルはカワセミ「ベー君」。「おしゃまさん」とともに都市公園の一角で果敢に巣穴をほり続けていたのですが、ここは塵芥置き場のすぐそばで、頻繁に搬出用のトラックがやってくるため、早々に放棄し、その後の彼らの行方は知る由もありません。

 アニメーションの素材であり、最終成果物ではないセル画は、この前申し上げたように、透過光撮影、多重露光、照明の加減、ズームやパンなどの撮影技法の力も借りて動画にしあがっていきます。また、レンズフレアや遠近感や収差の誇張など、レンズ表現を作画に取り入れた面もありますし、白・黒一色のカットを挿入することで、露出調整を表現する方法もよく見られます。
 このうち、レンズ効果や露出関係の表現は、「(実際には存在しない)カメラを通した視点」を連想させるため、ガンダムの創始者、富野由悠季氏は「想像の世界を描くSFにそのようなカメラ視点があるのはおかしい」と否定的です。否定的であるのは、氏が仮想敵とした「宇宙戦艦ヤマト」にそのような技法が多用されていたことも理由ではないかと思うところです。 

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