コピペ記録
Exif情報
メーカー名 NIKON CORPORATION
機種名 D800
ソフトウェア Capture One 6 Windows
レンズ
焦点距離 24mm
露出制御モード ノーマルプログラム
シャッタースピード 1/200sec.
絞り値 F7.1
露出補正値 -0.3
測光モード 分割測光
ISO感度 100
ホワイトバランス
フラッシュ なし
サイズ 2048x1367 (1.8MB)
撮影日時 2015-12-04 00:03:04 +0900

1   kusanagi   2023/12/31 12:59

★キヤノン板 『老人写真事情~写真とは遠い日の花火ではない~ 』 コピペ記録
https://photoxp.jp/pictures/226050

 老人主体の写真展を鑑賞してきました。若者写真事情を考えると同時に、老人写真事情と
いうのも考えてみましょう。ちなみに両者は断絶したものではなく、ある程度は連続体を構成
しています。
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・老人写真趣味としての『サロン型写真趣味』(厳密な芸術写真という意味ではなく)の存在。

・撮影(個人あるいは撮影会)→大判プリント・額装(額装まで主宰者が一括作業することも
 ある)→展示会場設営→会場をサロンとして各種茶話(思い出話、自慢話、情報交換等)を
 楽しむ・・・という一連のサイクルを毎年楽しむ。

・少しずつ衰退している。

・衰退理由は、コロナ禍で開催が中断し再開が困難、参加者の高齢化など担い手の不足。

・これほど高齢者が増えているのに、高齢者主体の写真教室、写真クラブの会員は減少
 している。

・2000年代のデジカメブーム、団塊世代の大量退職者の趣味サロンデビューといった、
 ボリューム層が徐々に消えていっている?

・そろそろバブル層が「高齢者デビュー」に達しつつあるが、この世代から下は、団塊世代
 から上のように無趣味を誇るような企業戦士気風が薄く、退職前から余暇・趣味活動に余念
 がないため、退職後の余暇を考える傾向にないかもしれない。(かといってスパッと線引き
 できる境界線もないと思う)

・バブル世代以下がサロン(茶論)的活動を嫌うものではなくて、サロン的写真活動は、
 オタク文化の行動形態と大いに被る。(額装写真を前に語らうのも機材を並べて語らうのも、
いずれ劣らぬオタク趣味。)

・サロン的写真趣味とは異なる「放し飼い型写真展」にも出くわす。

・サロンスペースを想定しない、常駐当番のいない、放牧型の展示がそれで、彼らは承認
 欲求ではなく表現欲求のみに従っているのかもしれない。(それを偽装した、実は承認欲
 求まみれの展示も一方では存在する。ただし承認欲求のない撮影者はこの世に一人も
 存在しない)

・写真表現や撮影技術はそれぞれであるが、どちらの展示でも心引かれるものは散見する
 ため、あくまで分類上の違いであり、写真そのものに明確な違いはない。
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・・・・サロン写真、という表現は「芸術志向の強い写真」という文脈で使われることがあるよう
ですが、ここでは「額装した写真を前に茶飲み話を楽しむような写真スタイル」を指しています。
 40代以下の人々がそれをしないわけでもないです。また、20代も実は「額装なんてコスパも
タイパも悪い」なんて言いません。重点の置き方はわかりませんが、10代の人々の額装写真
展もよく見かけます。
 アナログ→デジタル→アナログの反動振り子現象の一環で、物質感と手触りのある写真と
しての額装写真が若者にブームとなる時期も来ると考えています。

 余談ですが、20代に聞いてみると、「タイパ」は彼らが言い出したものじゃないのだそうで、
「うだうだと無駄な時間が流れる会議や上司の自慢話を聞かされる飲み会を嫌って断った
結果、その上司層が若い人々はタイムパフォーマンスを重視するから仕方ない、と言い訳に
使ったのであろう」との見解がありました。
 その上司層は、かつて「新人類」と言われた世代であろうが、そのワードもまたその上司層
が造り出したものであります。

 そもそも「時は金なり」「光陰矢の如し」とか、昔からタイパに類したことわざは存在するし、
人類の進歩は時間を克服する戦いでもあったのです。医療=長寿命、家電・即席食品・代行
サービス・宅配=消費可能な時間の拡大、高速交通機関=生存時間のうちに移動できる
範囲の拡大、デジタルカメラ=写真アウトプットの即時消費・・・というように。
 SF上の概念でしかありませんが、何らかのテクノロジーにより、人間のクロックを高速化す
ることで、有限の時間から無限の時間を取り出すというものがあるそうです。移動時間中に
仕事や趣味を楽しむ環境づくりというのもこれに近い考え方で、ラップトップパソコンやウォー
クマンなどもこのカテゴリーに入ってきます。

 老人と若者では時間の流れる感覚が違うのでしょうが、セイコーが発表している時間白書
では、若者は将来に対する不安を持っていて、これは単なる社会不安というよりも、自分が
若さを喪失していくことに対しての不安があるようです。若いうちの時間を無駄に過ごしたくな
いという焦りが、本当の意味での「タイパ」なのかもしれませんな。
https://www.seiko.co.jp/timewhitepaper/2023/
 この時間白書では、年齢に対するステレオタイプ的な考え方に対する反発の意見も見られ
ます。要するに老人写真も「遠い日の花火ではない」ということで、別に老人ポートレートも、
老人ポートレート写真家もじゃんじゃん出てきてほしいものであります。
 老人は、現在と同時に今に至る過去からの時間を楽しむ観点で写真に向き合うのですが、
そうした老人写真家は被写体としてもとても魅力的であり、彼らの背中には重厚長大な物語
を感じるところです。



★キヤノン板。『爽やか美人百景 ~若者写真事情~ 』 コピペ記録
https://photoxp.jp/pictures/226046

とある忘年会で、20代の男女に、どのような写真を撮っているか、またどのように保存して
いるか尋ねてみました。
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・会話に参加した20代は男子1名、女子3名。

・保有している撮影機材は全員スマートフォンのみで、デジカメ、フィルムカメラ(使い捨て
 カメラを含 む)、チェキの使用者はいなかった。

・撮影は配偶者や彼氏彼女との記念写真、旅先の風景、趣味の作品の撮影など。

・保存はスマートフォン内部で済ませているが、ごくまれにプリントすることもある。

・プリントはコンビニ等を利用。

・・・・これらの傾向はスマホ撮影者のプリント動向調査とおおむね似通っている様子。
 https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1939.html

・チェキ写真は全員が認識しており、うち女子2名が「かわいいので好き」との感想。

・チェキ機材がなくともコンビニでスマホ撮影の写真をチェキ風にプリントするサービスがある
 とのこと。

・スマホ撮影写真と、大口径レンズ+デジタル一眼レフで撮影した写真とを見せたところ、
 後者について、1名の20代女子から「写真がキレイ」との感想あり。具体的にどうキレイと
 感じるのか尋ねたところ、「写真館で撮影した写真のようだから」との感想あり。

・この20代女子は、「キレイな写真」として「写真館で撮影する写真」をイメージしているが、
 彼女はいわゆる『インスタ女子』であり、写真趣味で言うところの「ボケフォト」や「ポートレート
 写真」には親和性を感じるとのこと。(ただしそうした用語を使っているわけではない)

・また、彼女は、節目節目で写真館(スタジオ撮影とは限らない)で撮影してもらってきた経歴
 があること。またかなりの美貌の持ち主で、写真を撮られることに抵抗がなく、また自らの
 美意識の表現としてセルフポートレート撮影にも関心が高い様子。

・少しだけ、彼女のインスタを見せてもらったが、なかなかに魅力的だった。

・フォトブックを注文した経験は全員なし。女子3名のうち2名は新婚だが、ウエディングフォト
 のサービスとしてもフォトブックを利用しなかった様子。

・20代男子も趣味は多様で、料理から「オリジナルの皮靴作り」まで、その記録のためスマホ
 撮影する機会は多いとのこと。

・この20代男女4名のうち、趣味レベルで写真に関心があるのはインスタ女子の1名と思わ
 れるが、残りの3名もスマホ撮影機会は多い。

・インスタ女子以外の女子1名が、地域フォトコンの部門賞に入賞した経験があるとのこと。
 それは撮影者としてでなく被写体として。だが、地域振興のフォトコンはそのへんが寛大で
 あり「未発表で応募者本人が撮影した写真であること」という制約はないが、それ以前に、
 ある意味、20代女子が「写真は撮影者ではなく被写体人物のモノ」という考えを持っている
 こととも思えた。

・・・・「チェキ写真がかわいい」というのは、やはり20代女子である私の娘も、自分ちのリビン
グに家族写真をチェキ風にプリントしてたくさんディスプレイしているので、理解できます。
余白にメモやメッセージが書き込めるのもよさげです。なお、私の娘もチェキ機材は保有して
おらず、スマホ撮影を「チェキ風にプリント」しているもので、専用アプリでプリント注文し、
最寄りの店舗で受け取るとのこと。

・・・・フォトブックは、コロナにより市場拡大が失速した傾向が見られ、例えばキヤノンは
今年、いったん撤退しています。キヤノンは2024年中を目処に新サービス開始との意向では
ありますが、「努めてまいります」との表現であり、再開を保証するものではありません。同社
の主力商品「フォトジュエルS」は私も利用していますが、写真印刷のクォリティに文句はない
ものの、飾り文字やレイアウト、背景などが20世紀的で、このあたりが競争力の低下につな
がったのかもしれません。
https://cweb.canon.jp/photojewel-s/

・・・・私は残念ながら今年は「キレイな女子」写真をあまり撮れませんでしたが、春先までの
名所・写真映えスポットで観察している限り、インスタ的撮影は一段落し、TiKTok系の撮影を
見かけることが多く感じました。しかし、女性の「キレイに撮りたい、撮ってほしい」という願望
が衰えるはずもなく、「被写体であり撮影者でもありたい」「ワタシが撮るキレイなワタシ」とい
うセルフポートレートジャンルは確固たるもののようです。

・・・・デジタルネイティブ世代もぼちぼち結婚して子供を持つ年齢となってきており、彼ら彼女
らは家族の写真共有サービス「みてね」を大いに活用しています。
このサービスはMixi社のメガヒット商品であるが、自らの子育て期の記憶が薄れつつある
親世代(つまり私あたり)と、子供の写真を共有することで子育て情報、助言(あるいは小言、
説教かもな)も共有できています。
 新規子育て世代は、月齢なりの発達発育に不安を持ちがちだが、「みてね」で共有されて
いる現在の子供写真は、その子たちが大人になって子育てする側になるとき、貴重な記録
資料となるかもしれません。
 我が家の場合、子供の撮影は、20世紀末に生まれた娘は幼稚園まではフィルム・デジタル
混成で、21世紀になって生まれた息子は、デジタルのみで写真を残してますが、とても月齢
ごとの記録をカバーできるほどの写真は残っていません。もちろん、「みてね」が物理的にも
商業的にも、これから先20年、現在のフォト共有サービスを継続できるかどうかは未知数で
ありますが。

・・・・それにしても、写真関係の統計を検索すると、しばしば「デジタルほどクリアには撮影
できないフィルム写真が、なぜか人気復活」という趣旨の記述によく出くわします。
 2005年頃の記憶では「フィルムほどクリアーには撮影できないデジタルだが、利便性から
人気沸騰」というような表現が目立っていたと思います。
 2000年代は、写真館で七五三撮影をお願いしても、デジカメは構図確認のための補助手
段であり、供給される写真にネガフィルムが添えられていたものです。老舗の子供写真館
スタジオアリスは、2006年まではフィルムであったとの情報もあります。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14186112664  

 上記は個人の顧客による推測ですが、スタジオアリスがフィルムからデジタルに移行する
にあたっては壮大な中央制御システムを構築したようで、子供写真と顧客情報が高度な
個人情報であることに鑑みて、セキュリティも確保できる独自システムを2005年度から順次
導入した、との報道も残っており、上記の個人顧客の情報と時系列はほぼ一致します。
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0509/09/news061.html

 なお、スタジオアリスは出自がフジフィルムグループ企業との合弁であり、その後、フジ
フィルムとの事業提携も行って現在に至っているため、撮影機材にFinePix S3Proあるいは
S5Proが使用されていたとの情報があります。
 
 デジタルの普及とそれに伴うアナログの衰退、そして反動のようにアナログが復活してくる
傾向は、音楽メディアでも同様ですが、デジタル消費が時短と省スペースをもたらすことで
生じた時間と空間をアナログ消費にあてる。つまり時代に応じた余暇消費の最適化というも
ので、最近言われる「モノ消費→コト消費→トキ消費」も新規のものではなく、人類はずっと
それを繰り返してきたものだと思います。

 たとえば最初期の写真は、相当な時間が掛かるし描写にも限界はあっただろうけれども、
絵画よりは格段に早く、精密で忠実な表現(再現)を可能にしたと思われます。かつて絵画
は、今日の記念写真の機能を果たしていたと思うのですが、写真にその立場を争奪されるこ
とで、絵画は抽象画や超常画、戯画などの別方向に進み、かえって表現として多角化したよう
に思えます。
 写真のフィルムに対して、音楽のレコードはスクラッチなどのDJ用途で新しい表現に活用
されていますが、一方で「使用していると音質が劣化する」というレコード特有の要素も「時間
を楽しむメディア」と、むしろポジティブにとらえられる可能性があります。
フィルム写真は現像焼き付けに時間はかかるし、時間とともに品質は劣化していくものです
が、それもまた「時間を楽しむ」ことでもあるのです。

・・・・忘年会で4名と話をしただけで「若者の写真事情」を断定することはできませんが、大が
かりな意識調査結果ではどうでしょうか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000044800.html

 20代以下の「カメラ単体の保有率」は50%を切っていますが、スマホもかなり高性能なカメラ
だと考えると、現在の20代はほぼ100%カメラを保有していると言えるでしょう。この調査にお
いて一人の10代男性がカメラを保有している理由を「彼女を綺麗に撮りたいから」としている
のが印象的です。
 そもそもカメラはその歴史の大部分、「世帯普及率」が普及の指標であったわけですが、
1980年代に飽和状態に達したカメラの世帯普及率の数値に、2020年代のスマホは達してい
るわけで、スマホをカメラに含めるなら、2020年代のカメラ世帯普及率は100%に近づいてい
ると考えられます。
https://tokaigakuin-u.repo.nii.ac.jp/records/2495

 上記「写真コミュニケーションの社会史」は論文ではありますが、写真趣味の人間にとって
は楽しい読み物です。
「若い女性にとって写真撮影や写真そのもののハンドリングは日常的な行動パターンの一つ
となり、写真は人との関係の中で消費するもの」
「高齢男性にとっての写真は道具立てにも注意を払うことが必要な特別な行為であり、写真
は消費するものではなく精魂込めて作り上げ鑑賞するもの」といった解析は、多分にステレ
オタイプ的ではあるものの、若い女性にとって写真は、より日常のものとなり、高齢者が各種
オタク化していくことを予測した点では、概ね当を得たものと言えそうです。

 カメラ単体での世帯普及率は低下しても、写真撮影機材としての世帯普及率は飽和に達
し、個人の撮影枚数も、1980年代とは比較にならない数字となっていると思われます。
 ちょっと乱暴な言い方をすれば、1980年代の標準的なアマチュアカメラマンよりも、2020年
代のスマホ女子のほうが、総合的な写真技能は優れている可能性もありえます。感じ方も
考え方も人それぞれですが、写真をコミュニケーションのツールとして自由自在に活用する
若い人たちは、まぶしく、うらやましくも思えるものです。

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以上、2点ほど、S9000氏は良く分析されていると思い、コキペにて記録させていただきました。
一部文脈などをオリジナルから変更しているところがありますが、これは私自身が見やすく、より
良く理解できる為に行った操作です。
私自身は、もう世間一般の写真事情には関心が薄れてしまい、既に関心は遠くなってしまったわけ
ですが、昨今の老若男女達がどのようにして写真たるものを楽しんで居られるのかが分かり、大変に
有意義な分析だと思っています。
このフォトXP写真掲示板は、参加者のほとんどが高齢者であり、そういう意味では写真を楽しむ高齢
者達のサロン的役割を果たしているものと思われます。言わば現代のデジタルサロンですかね。

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