メーカー名 | Canon |
機種名 | EOS 70D |
ソフトウェア | Digital Photo Professional |
レンズ | 135mm F1.8 DG HSM | Art 017 |
焦点距離 | 135mm |
露出制御モード | マニュアル |
シャッタースピード | 1/2656sec. |
絞り値 | F2.5 |
露出補正値 | +0.0 |
測光モード | 分割測光 |
ISO感度 | 200 |
ホワイトバランス | オート |
フラッシュ | なし |
サイズ | 3000x2000 (3.72MB) |
撮影日時 | 2022-05-04 23:36:31 +0900 |
とある忘年会で、20代の男女に、どのような写真を撮っているか、またどのように保存しているか尋ねてみました。
・会話に参加した20代は男子1名、女子3名
・保有している撮影機材は全員スマートフォンのみで、デジカメ、フィルムカメラ(使い捨て含む)、チェキの使用者はいなかった
・撮影は配偶者や彼氏彼女との記念写真、旅先の風景、趣味の作品の撮影など
・保存はスマートフォン内部で済ませているが、ごくまれにプリントすることもある
・プリントはコンビニ等を利用
・・・・これらの傾向はスマホ撮影者のプリント動向調査とおおむね似通っている様子。https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1939.html
・チェキ写真は全員が認識しており、うち女子2名が「かわいいので好き」との感想
・チェキ機材がなくともコンビニでスマホ撮影の写真をチェキ風にプリントするサービスがあるとのこと
・スマホ撮影写真と、大口径レンズ+デジタル一眼レフで撮影した写真とを見せたところ、後者について、1名の20代女子から「写真がキレイ」との感想あり。具体的にどうキレイと感じるのか尋ねたところ、「写真館で撮影した写真のようだから」との感想あり。
・この20代女子は、「キレイな写真」として「写真館で撮影する写真」をイメージしているが、彼女はいわゆるインスタ女子であり、写真趣味で言うところの「ボケフォト」や「ポートレート写真」には親和性を感じるとのこと(ただしそうした用語を使って
いるわけではない)
・また、彼女は、節目節目で写真館(スタジオ撮影とは限らない)で撮影してもらってきた経歴があること、またかなりの美貌の持ち主で、写真を撮られることに抵抗がなく、また自らの美意識の表現としてセルフポートレート撮影にも関心が高い様子
・少しだけ、彼女のインスタを見せてもらったが、なかなかに魅力的だった
・フォトブックを注文した経験は全員なし。女子3名のうち2名は新婚だが、ウエディングフォトのサービスとしてもフォトブックを利用しなかった様子。
・20代男子も趣味は多様で、料理から「オリジナルの皮靴作り」まで、その記録のためスマホ撮影する機会は多いとのこと
・この20代男女4名のうち、趣味レベルで写真に関心があるのはインスタ女子の1名と思われるが、残りの3名もスマホ撮影機会は多い。
・インスタ女子以外の女子1名が、地域フォトコンの部門賞に入賞した経験があるとのこと。それは撮影者としてでなく被写体として、だが、地域振興のフォトコンはそのへんが寛大であり「未発表で応募者本人が撮影した写真であること」という制約はないが、それ以前に、ある意味、20代女子が「写真は撮影者ではなく被写体人物のモノ」という考えを持っていることとも思えた
・・・・「チェキ写真がかわいい」というのは、やはり20代女子である私の娘も、自分ちのリビングに家族写真をチェキ風にプリントしてたくさんディスプレイしているので、理解できます。余白にメモやメッセージが書き込めるのもよさげです。なお、私の娘もチェキ機材は保有しておらず、スマホ撮影を「チェキ風にプリント」しているもので、専用アプリでプリント注文し、最寄りの店舗で受け取るとのこと。
・・・・フォトブックは、コロナにより市場拡大が失速した傾向が見られ、例えばキヤノンは今年、いったん撤退しています。キヤノンは2024年中を目処に新サービス開始との意向ではありますが、「努めてまいります」との表現であり、再開を保証するものではありません。同社の主力商品「フォトジュエルS」は私も利用していますが、写真印刷のクォリティに文句はないものの、飾り文字やレイアウト、背景などが20世紀的で、このあたりが競争力の低下につながったのかもしれません。
https://cweb.canon.jp/photojewel-s/
・・・・私は残念ながら今年は「キレイな女子」写真をあまり撮れませんでしたが、春先までの名所・写真映えスポットで観察しているかぎり、インスタ的撮影は一段落し、TiKTok系の撮影を見かけることが多く感じました。しかし、女性の「キレイに撮りたい、撮ってほしい」という願望が衰えるはずもなく、「被写体であり撮影者でもありたい」「ワタシが撮るキレイなワタシ」というセルフポートレートジャンルは確固たるもののようです。
・・・・デジタルネイティブ世代もぼちぼち結婚して子供を持つ年齢となってきており、彼ら彼女らは家族の写真共有サービス「みてね」をおおいに活用しています。このサービスはMixi社のメガヒット商品であるが、自らの子育て期の記憶が薄れつつある親世代(つまり私あたり)と子供の写真を共有することで子育て情報、助言(あるいは小言、説教かもな)も共有できています。新規子育て世代は、月齢なりの発達発育に不安を持ちがちだが、「みてね」で共有されている現在の子供写真は、その子たちが大人になって子育てする側になるとき、貴重な記録資料となるかもしれません。我が家の場合、子供の撮影は、20世紀末に生まれた娘は幼稚園まではフィルム・デジタル混成で、21世紀になって生まれた息子は、デジタルのみで写真を残してますが、とても月齢ごとの記録をカバーできるほどの写真は残っていません。もちろん、「みてね」が物理的にも商業的にも、これから先20年、現在のフォト共有サービスを継続できるかどうかは未知数でありますが。
・・・・それにしても、写真関係の統計を検索すると、しばしば「デジタルほどクリアーには撮影できないフィルム写真がなぜか人気復活」という趣旨の記述によく出くわします。2005年頃の記憶では「フィルムほどクリアーには撮影できないデジタルだが、利便性から人気沸騰」というような表現が目立っていたと思います。2000年代は、写真館で七五三撮影をお願いしても、デジカメは構図確認のための補助手段であり、供給される写真にネガフィルムが添えられていたものです。老舗の子供写真館スタジオアリスは、2006年まではフィルムであったとの情報もあります。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14186112664
上記は個人の顧客による推測ですが、スタジオアリスがフィルムからデジタルに移行するにあたっては壮大な中央制御システムを構築したようで、子供写真と顧客情報が高度な個人情報であることに鑑みて、セキュリティも確保できる独自システムを2005年度から順次導入した、との報道も残っており、上記の個人顧客の情報と時系列はほぼ一致します。
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0509/09/news061.html
なお、スタジオアリスは出自がフジフィルムグループ企業との合弁であり、その後、フジフィルムとの事業提携も行って現在に至っているため、撮影機材にFinePix
S3ProあるいはS5Proが使用されていたとの情報があります。
デジタルの普及とそれに伴うアナログの衰退、そして反動のようにアナログが復活してくる傾向は、音楽メディアでも同様ですが、デジタル消費が時短と省スペースをもたらすことで生じた時間と空間をアナログ消費にあてる、つまり時代に応じた余暇消費の最適化というもので、最近言われる「モノ消費→コト消費→トキ消費」も新規のものではなく、人類はずっとそれを繰り返してきたものだと思います。たとえば最初期の写真は、相当な時間がかるし描写にも限界はあっただろうけれども、絵画よりは格段に早く、精密で忠実な表現(再現)を可能にしたと思われます。かつて絵画は、今日の記念写真の機能を果たしていたと思うのですが、写真にその立場を争奪されることで抽象画や超常画、戯画などの別方向に進み、かえって表現として多角化したように思えます。
写真のフィルムに対して、音楽のレコードはスクラッチなどのDJ用途で新しい表現に活用されていますが、一方で「使用していると音質が劣化する」というレコード特有の要素も「時間を楽しむメディア」と、むしろポジティブにとらえられる可能性があります。フィルム写真は現像焼き付けに時間はかかるし時間とともに品質は劣化していくものですが、それもまた「時間を楽しむ」ことでもあるのです。
・・・・忘年会で4名と話をしただけで「若者の写真事情」を断定することはできませんが、大がかりな意識調査結果ではどうでしょうか。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000346.000044800.html
20代以下の「カメラ単体の保有率」は50%を切っていますが、スマホもかなり高性能なカメラだと考えると、現在の20代はほぼ100%カメラを保有していると言えるでしょう。この調査において一人の10代男性がカメラを保有している理由を「彼女
を綺麗に撮りたいから」としているのが印象的です。
そもそもカメラはその歴史の大部分、「世帯普及率」が普及の指標であったわけですが、1980年代に飽和状態に達したカメラの世帯普及率の数値に2020年代のスマホは達しているわけで、スマホをカメラに含めるなら、2020年代のカメラ世帯普及率は100%に近
づいていると考えられます。
https://tokaigakuin-u.repo.nii.ac.jp/records/2495
上記「写真コミュニケーションの社会史」は論文ではありますが、写真趣味の人間にとっては楽しい読み物です。
「若い女性にとって写真撮影や写真そのもののハンドリングは日常的な行動パターンの一つとなり、写真は人との関係の中で消費するもの」
「高齢男性にとっての写真は道具立てにも注意を払うことが必要な特別な行為であり、写真は消費するものではなく精魂込めて作り上げ鑑賞するもの」といった解析は、多分にステレオタイプ的ではあるものの、若い女性にとって写真はより日常のものとなり、高齢者が各種オタク化していくことを予測した点では、概ね当を得たものと言えそうです。
カメラ単体での世帯普及率は低下しても、写真撮影機材としての世帯普及率は飽和に達し、個人の撮影枚数も、1980年代とは比較にならない数字となっていると思われます。
ちょっと乱暴な言い方をすれば、1980年代の標準的なアマチュアカメラマンよりも、2020年代のスマホ女子のほうが、総合的な写真技能は優れている可能性もありえます。感じ方も考え方も人それぞれですが、写真をコミュニケーションのツールとして自由自在に活用する若い人たちは、まぶしく、うらやましくも思えるものです。
おはようございます。
あはっ!と目を剥く程の長文に『よんさんまる』休憩時の熟読を諦め目的地付近の待機中に読ませて貰ってます。
想い返してみると私の場合中学入学時が趣味としてのカメラとの出会いだったように想います。
兄が買ったミノルタの標準レンズ付き一眼レフをみて『あぁ~カメラだ・・・。』と思ったことが・・・。
ただそれだけでそれ以上の興味を持つことは無かったのですが当時に
少しでも興味を持っていたら違っていたでしょうね。
お写真のガールズは三脚を用いて映える写真を意識しながら楽しんでおられますね、微笑ましい光景です。
彼女らにとってスマホで十分であり一眼まで・・・という気持ちにはなれないでしょう。
一方、ユーチューバー等はより綺麗に撮れる小型で性能の良いカメラとレンズ思考になって来ているようです。
昔はビデオと言ったら専用機種でしたが現代では高級ビデオ機能が付いたカメラが
老若男女を問わず爆売れしている様です。
どの様な事柄も何時何処でどの様に出会いどう思いどう行動したかに左右されますね。
極度の貧困を乗り越えてもって思える時期に出会ってみたかったです。
裏街道さん、こんにちは。コメントサンクスです(^^)v
スマホは結構高いので、それに加えてミラーレスは・・・というのは苦しいでしょうね。今でもカメラ機材は高すぎるように思えます。市場の縮退により、これから先も廉価機種の繁盛は期待できませんが¥¥
ビデオ専用機種は便利ですが、長時間撮影以外の撮影自由度ではレンズ交換もできるカメラのほうが有利なのでしょうね。私も裕福ではありませんが、ビデオもカメラも、という投資はできないので、動画を撮るにしても今の機材の範囲ですかなあ・・・