メーカー名 | SIGMA |
機種名 | SD1 Merrill |
ソフトウェア | SIGMA Photo Pro 5.5.0.0005 |
レンズ | 17-50mm |
焦点距離 | 38mm |
露出制御モード | ノーマルプログラム |
シャッタースピード | 1/320sec. |
絞り値 | F6.3 |
露出補正値 | -0.3 |
測光モード | 分割測光 |
ISO感度 | 100 |
ホワイトバランス | オート |
フラッシュ | なし |
サイズ | 1568x2352 (3,030KB) |
撮影日時 | 2014-05-06 11:04:43 +0900 |
http://photoxp.jp/pictures/141959
調布のみ氏の「風景板」でのお写真です。
カメラの話しは風景板にはそぐわないだろうと思い、この場を借りて
続き話としましょう。
写真の画質は、レンズ→センサー→映像エンジンと光が電子化され
絵となって行くのだろうと思います。それで一般の方がもっとも注意を
払わないのが映像エンジンではなかろうかと想像しています。
映像エンジンは、カメラ内処理とRAW処理の2段階に分かれているの
だろうと推察しますが、映像エンジンとはともかく地味でその効果が分かり
にくく、それでメーカー自身もいい加減になる傾向があるようです。
しかし本当にその写真の絵が煮詰められているかどうか、それはやはり
最終段階てある映像エンジンの良し悪し、手抜きをしていない真面目さ
がそれを決めてしまうというところがあるように思います。
シグマの話しをすれば、この映像エンジンは手を抜いていないという
気がしています。とくにSD1Mはそうで、シグマは全力を出しきっていると
いう気がしています。
ついでに言うと、DP1Mはちょっと映像エンジンを手抜きをしている。
しかしその分は、高速度の映像処理となってユーザーに恩恵を与えて
いるのだから、別バージョンということで問題はないと思います。
ちなみに、SD1MのロジックボードをDP1Mのそれに交換した高速処理
タイプのSD1Mが出ても、十分に許されるのではないかと思っています。
SD1Mライト、とでも名づけてリリースすれば、私は2台目のSD1Mとして
購入するだろうと思います。
話が脱線しました。
とにかく映像エンジンというのは地味で、メーカーエンジニアの努力の
割には、ユーザーに認めてもらえないところがありそうです。SD1MとDP1M
の絵の違いが分かる人など、たぶんシグマユーザーでもほんの一部の人
だけしか判別できていないだろうと思っていますし。
そして、オリンパスというメーカーも、この地味な映像エンジンというもの
を以前から確りと地道にやっているメーカーだということなのでしょう。
何処かのサイトで、オリンパスのエンジニアがソニー製のセンサーを使った
M5を開発した時、その映像エンジンの開発は楽だったと語っていたという
ことを聞いたことがあります。
それまで使っていたパナソニック製センサーでは苦労したという意味でも
あるでしょうし、同時にソニー製センサーの映像エンジンは容易かったと
いう意味でもあるのかも知れません。
センサーから出てくる信号がリアルに多ければ映像エンジンの開発は苦労
を極めるだろうし、センサーから出てくる信号が限定され限られたものだと
すると映像エンジンの設計は楽になるだろうということ。
だぶん前者がパナソニックセンサーで後者がソニーセンサーだったのかも
しれません。憶測でモノを言うのはまずいのでこれ以上は言いませんが、
とにかく、オリンパスはM5のソニー製センサーをM1で再び捨てたとすると、
そのことは何を意味するのだろうかということです。
ニコンの最高のセンサーはD4やDfのセンサーとメーカー自身も認めている
ようですが、これはソニー製ではなくニコン製です。設計はニコンで、製造を
しているのはルネサスでしょうか。そのセンサーに付けられている映像エンジン
もニコン渾身の作であると言えそうです。
けっこう、ソニー製センサーは、カメラメーカーから、今となっては飽きられて
いるのかも知れません。
センサー製造も、映像エンジン開発も、要はメーカーの絵作りの思想という
ものが根本にあると思っています。
センサーを自社開発していないカメラメーカーは映像エンジンだけで勝負を
しなければならない。センサーもエンジンも2つとも自社開発・製造できる
メーカーもあるし、その両者とも外部調達しなければならないカメラメーカー
もあると思います。それぞれ各社ともに事情があるんですね。
そういえばRAWソフトの外注は多くなりましたしねえ。
一般的には、絵作りの重要度としてユーザーが認めているのは、レンズが
1番、ついでセンサーとなり、映像エンジンなどは忘れられているのでしょうが、
本当に大切にしなければならないのは、映像エンジンだろうと私は考えて
います。
また映像エンジンは、JPEG撮影にもモノを言います。JPEG撮影が綺麗にでる
のは、オリンパスがそうでしょうし富士もそうでしょう。JPEG撮影エンジンに
手を抜いていないというのは評価できることです。
なお、シグマはJPEGには力を入れていない。RAW専用機というスタンスは
昔からの伝統のようなものです。JPEGにまで行く余裕がないわけです。
ステッチング写真のソフトも実は映像エンジンのひとつだろうと言えます。
古い数百万画素のカメラを使って、最新の2000万画素カメラより格段上質の
画像を得ることが出来る。素晴らしい映像エンジンだということです。
写真は撮影者の思い込みのあるところが多いジャンルですね。
私はこうこういうことで撮影しているのだから、その写真を鑑賞するものも
こうこういう観点から正しく評価してもらわないと・・・
ということになりがちなのですが、それは勿論まちがっています。
鑑賞者は観るものの立場で自由に見て感じて構わないのですから。
それで撮影者の意図が正しく伝わるのは、画質だけだと言っても過言では
ありません。写真の要素の中の画質だけは、よっぽど目の悪い人以外は
正しく伝わる数少ない要素なんです。それゆえに、画質は大切にしたいと
思っています。