180mmレンズ 作例

その男、スナイパー

その男、スナイパー

 さて、ゴルゴ13を話題にしないわけぢやなく、この掲示板で、「カメラマンとスナイパーは、道具が違うだけで仕事はいっしょだ」という、ゴルゴ13作品でのセリフを引用して、何人かの方とわいわいお話しした記憶があります。おそらく7,8年前のことだと思うが。  ということで、吉例漫画話では、ゴルゴ13も触れようと思います。この作品は、裏街道さんもお好きだとか。  60~70年代の初期作品のほうが、サスペンス調でよいという感想も聞きますが、私は80~90年代の作品が気に入っています。最近は、筆力が少し落ちたのか、ぼんやりした作品が増えたように思いますが。  1997年作品「最終暗号」は、第二次大戦中、乱数暗号「紫」を開発した日本人数学者と解読した米人数学者(盗聴機関のトップ)の闘い。実は後者は前者に友情を感じており、20世紀末の学会で再会するが、前者が絶対に解読不能な暗号を発表したため、敵対関係に戻ります。米人数学者の部下で凄腕の特殊部隊隊長が、数学や暗号の知識がカラっぽで(とはいえかなり知的レベルは高いが)終始馬鹿にされているのが痛ましくもユーモラス。彼は最後まで勇敢に闘い、戦闘能力ではゴルゴに対抗しうるものの、その狡猾な策略に敗北してしまいます。なお、米人数学者はゴルゴにより射殺されるのですが、日本人数学者は二十年後、仮想通貨の暗号化をテーマとした作品で登場し、その息子がさらに強固な暗号開発に成功する展開となります。  二次大戦中、日本は自分たちの乱数暗号が解読されていることを知っていて、薩摩弁による会話を暗号がわりに使い始め、米軍もその解読に苦労します。しかし、アメリカは開戦初期には迫害した日系人を対日情報戦に活用しはじめ、鹿児島ルーツの帰米二世を起用して薩摩弁通信の解読に至るという有名な史実が、「二つの祖国」でも引用されていました。(主人公「天羽賢治」のモデルである伊丹明氏)  ゴルゴでは数学解析による暗号解読に力点が置かれ、言語暗号には触れられていませんが、日本軍の短波通信を随所で傍受し、よってたかって、アメリカ総力で解読に勤めた描写は、「山河燃ゆ」「ゴルゴ13」共通のものです。日本軍の乱数暗号は優れていたが、管理に問題があり、一部の情報が盗み出されたり、暗号の前段に平文の注意書きを添えてしまい、米軍にとっては素晴らしいプレゼントと受け取られたそうです。よって、ゴルゴで描かれたほどには米軍は解読に苦労しておらず、かなり初期に解読を達成し、暗号機の模造にも成功していたとか。    ゴルゴや沈黙の艦隊、戦場漫画シリーズ等、日本人が日本人に向けて描く漫画は、日本サイドの能力発揮を、実際より過大に表現することが多いので、そのまんまに受けとめてはいけないという例。  作中の米軍側数学者は、ウィリアム・F・フリードマンという暗号技術者をモデルにしていて、この人物がNSAという情報解析機関の創設に関わったのは事実のようですが、1969年に死亡しており、劇中の登場人物は架空の存在です。仮にフリードマンが生存していたならば、作品が描かれた1997年時点では100歳を超えるほどの老齢ですが、作中では70歳前後に描かれています。  写真は、野鳥狙いのカメラマンさんが、愛機にドットサイトを装着した様子。私も欲しい。

イソシギ教官殿

イソシギ教官殿

 滑空体制から、翼の角度変化と羽ばたきで、慣性モーメントをうまく相殺して、すべるように着地していくイソシギ君。人間のパイロットからすれば超絶技術の、神様級の教官殿ということになるのですが、そもそも飛行機と鳥を比較するのは無理があります。  だから鳥に魅せられる人々の気持ちはよくわかるのですが、野鳥撮影者のために赤い絨毯をしいた特等席が用意されるわけではないので、わきまえる必要があります。「赤い絨毯をしいた特等席」というのは、けっこう自己顕示欲とつながっているところがあって、「かっこよく機材を使いこなしているけれど自然も愛しているこの俺様の雄姿を見よ!」という気持ちはあるのでしょう。  それは邪念であって、必ず撮影結果に悪影響を及ぼすものですが、普通の人間がそれを完全に消すことはできないので、野鳥の警戒心(臆病さ)をも観察者自身に取り込んでみるべきかもしれません。あるいは自己顕示欲が強く出るときは、野鳥のなわばり保持や求愛時の様子が観察者に刷り込まれて同化してしまっているのかも。いずれにせよ、野鳥の観察者はどこかで鳥化していきます。それを観察することもまた、野鳥撮影の粗大ごみ。じゃなくて、醍醐味。